CH-47F 多年度契約II期に約49億ドル ― 新造34機に対して「再生」121機という配分(ボーイング)
米国防総省が、CH-47F 大型輸送ヘリコプターの多年度契約II期を ボーイングに発注した。契約額は約48.6億ドル。概要には「新造34機、再生121機」と記されており、対象の8割近くが既存機の再生である点に、大型機を維持し続ける調達の実態が表れている。
契約の基本情報
- 受注者ボーイング
- 契約額$4,864,238,446(約48.64億ドル)
- 軍種国防総省・全軍共通
- 発注機関国防総省
- 発注部局国防契約管理局
- 契約種別DEFINITIVE CONTRACT
- 履行期間2013-06-10 〜 2022-09-30
- 契約番号(PIID)W58RGZ13C0002
契約の概要(原文)
CH-47F CARGO HELICOPTER MULTIYEAR II. 34 NEW BUILD HELICOPTERS AND 121 RENEW HELICOPTERS.
要点
- CH-47F 大型輸送ヘリコプターの多年度契約II期を ボーイングに発注。契約額は約48.6億ドル($4,864,238,446・累計)。
- 概要に機数の内訳が明記=新造34機、再生(renew)121機。対象155機のうち新造は約22%。
- renew(再生)は修理ではなく、分解して構成品を新仕様に置き換え、最新型と同等の状態にする作業。
- 履行期間は2013年6月10日〜2022年9月30日。発注部局は国防契約管理局(DCMA)。
- MULTIYEAR II=この機種で2度目の多年度契約。当サイトは H-60 の第VIII期・第IX期も収録。
- 対象155機のうち新造は34機で、残る121機は既存機の再生=新造の割合は約22%にとどまる。
1「新造34機・再生121機」という内訳
この契約の概要が珍しいのは、機数の内訳が明記されている点である。対象155機のうち、新しく作るのは34機で、残る121機は既存機の再生(renew)である。割合にすると新造は約22%にとどまる。大型の輸送ヘリコプターは機体構造そのものの寿命が長く、性能を左右するのはエンジン、電子機器、操縦系統といった内部である。
したがって機体を作り直すより、既存機を分解して主要部分を最新仕様に入れ替えるほうが合理的な場面が多い。
2「再生」は修理とは違う
renew(再生)は、故障箇所を直す整備とは目的が異なる。分解したうえで構成品を新しい仕様のものに置き換え、結果として最新型と同等の状態にする作業を指す。したがって完成後の機体は「古い機体」ではなく、新造機と同じ型式として扱われる。調達データで機数を数えるときに新造と再生を区別せずに合計すると、生産能力の実態を取り違えることになる。
3多年度契約のII期という位置
概要の MULTIYEAR II は、この機種で2度目の多年度契約であることを示す。多年度契約は数年分をまとめて確約する方式で、受注側が部材を一括して手当てでき、単価を抑えやすい。当サイトは同じく多年度契約を重ねている H-60 ブラックホークの第VIII期・第IX期も収録しており、機種をまたいで同じ調達方式が使われていることが確認できる。
4対象155機のうち新造は34機
この契約の概要が珍しいのは、機数の内訳が明記されている点です。対象155機のうち、新しく作るのは34機で、残りは既存機の再生にあたります。
割合にすると新造は約22%にとどまります。大型の輸送ヘリコプターは機体構造そのものの寿命が長く、性能を左右するのはエンジン、電子機器、操縦系統といった内部です。再生は故障箇所を直す整備とは目的が異なり、分解したうえで構成品を新しい仕様のものに置き換え、結果として最新型と同等の状態にする作業を指します。
調達データで機数を数えるときに新造と再生を区別せずに合計すると、生産能力の実態を取り違えることになります。
なぜ重要か
新造と再生では、必要になる部材も工程も、関わる下請の構成も異なる。再生が主体の調達では、機体構造メーカーより搭載機器メーカーの比重が上がる。公開データで機数の内訳が概要に書かれている契約は多くないため、内訳が読める案件は産業構造を推し量る手がかりとして価値が高い。
よくある質問(FAQ)
これは何のデータですか?
契約額は確定額ですか?
「再生(renew)」とは整備のことですか?
なぜ新造より再生のほうが多いのですか?
出典(一次情報)
本記事は下記の米国政府公式の支出データに基づく独自整理です。正確・最新の内容は公式をご確認ください。
- USAspending(契約の詳細)
- 契約番号(PIID):W58RGZ13C0002