環境影響評価をしなくてよい行為の類型を広げる ― 水力発電の免許を「やめる」ときの扱い(2026年7月)
米連邦エネルギー規制委員会が、環境影響評価に関する自らの規則を改め、水力発電の免許や適用除外の終了・取消のうち一定のものを、個別の評価を要しない類型に加えた。地面の掘削や貯水池・下流の流量への変化が軽微またはない場合に限られる。
文書の概要(一次情報)
- 文書種別規則
- 発行機関エネルギー省
- 引用91 FR 46267
要点
- 米連邦エネルギー規制委員会が、環境影響評価を要しない行為の類型(カテゴリー除外)を拡大した。
- 追加されたのは、水力発電の免許および適用除外の終了または取消のうち一定のものである。
- 条件は、地面を乱す活動が軽微またはなく、貯水池の状態と下流の流量への変化が軽微またはないこと。
- 事業を始めるときだけでなく、終わらせる行為も連邦の行為として環境影響評価の対象になりうる。
- カテゴリー除外は環境への配慮を放棄するものではなく、限られた資源を影響の大きい事案に振り向ける仕組みである。
1評価しなくてよい類型
国家環境政策法は、連邦が関与する事業について環境への影響をあらかじめ検討し公表することを求めています。ただし、あらゆる行為について個別に評価していては手続きが回りません。そこで、通常は重大な影響を及ぼさないと考えられる行為の類型をあらかじめ定め、その類型に当てはまる場合は個別の評価を省く仕組みが置かれています。カテゴリー除外と呼ばれます。
カテゴリー除外は、環境への配慮を放棄するものではありません。あらかじめ「この類型は通常は重大な影響がない」と判断しておくことで、限られた資源を影響の大きい事案に振り向けるための仕組みです。
2「やめる」ことにも評価が要った
- 1対象水力発電の免許および適用除外の終了または取消
- 2条件その一地面を乱す活動が軽微またはないこと
- 3条件その二貯水池の状態および下流の流量への変化が軽微またはないこと
- 4効果これらに当てはまる場合、個別の環境影響評価を要しない
興味深いのは、対象が事業を始めることではなく、終わらせることだという点です。免許を終了させたり取り消したりする行為も連邦の行為である以上、環境影響評価の対象になりえます。とはいえ、施設をそのままにして免許だけを終える場合など、環境がほとんど変わらない場合もあります。そうした場合を類型として切り出したのが本規則です。
3条件が付いていること
拡大されたカテゴリー除外には、二つの条件が付いています。地面を乱す活動が軽微またはないこと、そして貯水池の状態と下流の流量への変化が軽微またはないことです。水力発電の免許が終わるときに、ダムの撤去や水の流し方の変更を伴えば、環境への影響は小さくありません。条件を満たさない場合は、これまでどおり個別の評価が必要になります。
4各機関が自前で定める
カテゴリー除外は、各機関が自らの規則の中に定めます。当サイトでは、政府全体の共通規則が撤廃されたことを受けて運輸省の三機関が自前の環境影響評価規則を確定させた例も扱っており、機関ごとに手続きを持つという構造がここでも現れています。
なぜ重要か
環境影響評価の要否は、事業の期間と費用を大きく左右する。類型に当てはまるかどうかで手続きが変わるため、条件の書き方そのものが事業の設計に影響する。
よくある質問(FAQ)
カテゴリー除外とは何ですか?
なぜ免許を終えるのに評価が要るのですか?
出典(一次情報)
出典:Federal Register(連邦政府文書=パブリックドメイン)。リンク先は公式サイトです。