新型コロナ治療薬(リジェネロン)の調達に累計約55.7億ドル ― 陸軍が最大125万回分を発注したWarp Speedの治療薬(USAspending)
USAspendingによれば、米陸軍は新型コロナウイルスの治療薬(リジェネロンの抗体医薬)の生産・調達を発注した。概要には「緊急使用許可(EUA)の治療薬を最大125万回分購入」とあり、政府横断の「Operation Warp Speed」の一環。契約額は累計約55.7億ドル($5,565,000,000)、2021年1月開始・2022年7月までの確定契約。ワクチン(予防)と並ぶ「治療」側を国防総省の調達網が担った例である。
契約の基本情報
- 受注者リジェネロン
- 契約額$5,565,000,000(約55.65億ドル)
- 軍種陸軍
- 発注機関国防総省
- 発注部局陸軍省
- 契約種別DEFINITIVE CONTRACT
- 履行期間2021-01-12 〜 2022-07-31
- 契約番号(PIID)W15QKN21C0014
契約の概要(原文)
PRODUCTION OF THERAPEUTIC IN SUPPORT OF NATIONAL EMERGENCY RESPONSE TO CORONAVIRUS 2019 (COVID-19): IN SUPPORT OF OPERATION WARP SPEED (OWS), THE GOVERNMENT IS PURCHASING UP TO 1,250,000 DOSES OF THE EMERGENCY USE AUTHORIZATION (EUA) THERAPEUTIC.
要点
本サイトで別途扱ったモデルナの契約が新型コロナの「ワクチン(予防)」だったのに対し、本契約はリジェネロンの「治療薬(治療)」だ。ワクチンが感染を防ぐ側なら、治療薬はすでに感染した患者を治す側にあたる。リジェネロンの新型コロナ治療薬は、体内で異物を捕える「抗体」を医薬品にしたモノクローナル抗体医薬として広く知られる。
概要には、緊急使用許可(EUA)を受けた治療薬を最大125万回分購入すると明記されている。
この契約もまた、モデルナのワクチン調達と同じく、政府横断の取り組み「Operation Warp Speed」の一環として、国防総省(米陸軍の調達組織)が調達の実務を担った。
兵器を買うのと同じ契約の機構が、パンデミック下では「予防」のワクチンと「治療」の治療薬の両輪を、国家規模で確保するために動いた――モデルナ(予防)と本件(治療)を並べると、DoDの調達網が公衆衛生の危機対応を丸ごと支えた構図が見えてくる。
概要(USAspending)は「EUA治療薬を最大125万回分」までで、それ以上の臨床的な詳細までは記されていない(本サイトは概要に無い内容は補わない)。累計約55.7億ドルという規模は、パンデミック対応において治療薬の確保にも巨額が投じられたこと、そしてその調達に国防の仕組みが使われたことを示している。
なぜ重要か
パンデミック対応で、ワクチン(予防)と並ぶ治療薬(治療)の確保にも巨額が投じられ、その調達を国防総省の調達網が担ったことを示す一次データ。モデルナ(予防)と本件(治療)を並べると、DoDの調達機構が公衆衛生の危機対応を丸ごと支えた全体像が見える。政府調達×ヘルスケア×パンデミック対応を追う読者に、防衛費という区分の広さを示す好例。
よくある質問(FAQ)
これは何のデータですか?
契約額は確定額ですか?
ワクチンと治療薬はどう違いますか。
出典(一次情報)
本記事は下記の米国政府公式の支出データに基づく独自整理です。正確・最新の内容は公式をご確認ください。
- USAspending(契約の詳細)
- 契約番号(PIID):W15QKN21C0014