約54.75億ドル 国防総省・全軍共通 DEFINITIVE CONTRACT HQ085621C0001

次世代迎撃ミサイル(NGI)の設計・開発に約53億ドル ― 「撃てる前の10年」に払う費用(ロッキード・ミサイル防衛局)

ミサイル防衛局 2021-03-25 〜 2031-03-31

米ミサイル防衛局(MDA)が、次世代迎撃機(NGI)の全段一体(All-Up-Round)の設計・開発・開発試験を ロッキード・マーティンに発注した。契約額は約52.6億ドル、履行期間は2021年3月から2031年3月までの10年である。量産ではなく開発と試験に、この規模の支出が10年にわたって置かれている点が特徴である。

契約の基本情報

  • 受注者ロッキード・マーティン
  • 契約額$5,475,397,699(約54.75億ドル)
  • 軍種国防総省・全軍共通
  • 発注機関国防総省
  • 発注部局ミサイル防衛局
  • 契約種別DEFINITIVE CONTRACT
  • 履行期間2021-03-25 〜 2031-03-31
  • 契約番号(PIID)HQ085621C0001

解説に書いた金額($5,264,261,430)は執筆時点の値です。その後の変更により、現在の記録では $5,475,397,699 になっています(上の基本情報が最新です)。

契約の概要(原文)

DESIGN, DEVELOPMENT, AND DEVELOPMENTAL TESTING OF THE NEXT GENERATION INTERCEPTOR (NGI) ALL-UP-ROUND (AUR)

要点

  • ミサイル防衛局(MDA)が次世代迎撃機(NGI)の全段一体(AUR)の設計・開発・開発試験を ロッキード・マーティンに発注。
  • 契約額は約52.6億ドル($5,264,261,430・累計)、履行期間は2021年3月25日〜2031年3月31日の10年。
  • All-Up-Round=ブースターと迎撃体を組み上げた「発射できる一発の完成品」。
  • 契約種別は DEFINITIVE CONTRACT。内容は量産ではなく設計・開発・開発試験。
  • 生産数・配備計画・後続の量産契約は原文の概要に記載がない。
  • 開発段階の契約でありながら支出済み額は約15億9,185万ドル=義務付け額の30.2%で、207件全体の1.0%より際立って高い。

1「All-Up-Round」という語

概要にある All-Up-Round(AUR)は、迎撃機を構成する要素——ブースター、迎撃体、それらを結ぶ機構——をすべて組み上げた「発射できる一発の完成品」を指す語である。開発の途中段階では、要素ごとに別々の試験が進むため、最終的に一体として成立させることが独立した課題になる。

契約の題目にこの語が置かれているのは、部品の開発ではなく「一発として完成させること」が発注の対象だという意味になる。

2量産ではなく開発に10年を置く構造

履行期間は20213月から20313月までの10年である。契約種別は DEFINITIVE CONTRACT(確定契約)で、内容は設計・開発・開発試験と記録されている。つまり、この52.6億ドルは装備を納入して受け取る費用ではなく、成立するかどうかを確かめる段階に投じられている。

迎撃という機能は、実物を撃って確かめる以外に検証手段が乏しく、試験そのものに大きな費用と長い時間がかかる。開発段階の契約が量産契約に匹敵する規模になるのは、この分野に固有の事情である。

3記録から分かる範囲

受注者はロッキード・マーティン、発注はミサイル防衛局で、金額は累計値である。生産数、配備先、後続の量産契約の有無は原文の概要に記載がない。当サイトでは記録にある範囲を超えて書いていない。

4開発段階に置かれた金額と時間

この契約は、装備を納入して受け取る費用ではありません。成立するかどうかを確かめる段階に投じられています。それでも金額は量産契約に匹敵します。

義務付け額約52億6,426万ドル設計・開発・開発試験
履行期間10年2021年3月〜2031年3月
記録上の支出済み額約15億9,185万ドル義務付け額の30.2%

支出済み額の比率は、2026年9月1日時点で当サイトが保持する国防総省の契約207件全体の1.0%と比べて際立って高くなっています。開発の段階でも資金は実際に動いているということです。迎撃という機能は、実物を撃って確かめる以外に検証手段が乏しく、試験そのものに大きな費用と長い時間がかかります。

ただし公開データの支出欄は記録が十分でない場合があり、執行の進み具合としてそのまま読むことはできません。

なぜ重要か

開発段階の契約は、量産契約と違って納入数で進捗を測れない。評価の手がかりは履行期間の推移と契約変更の積み上がり方であり、公開データを時系列で追うことに意味がある。防衛関連の産業側では、開発フェーズの受注が長期の技術者確保と試験設備の維持に直結するため、10年規模の契約は雇用計画そのものになる。

よくある質問(FAQ)

これは何のデータですか?
米国の政府支出公開データ「USAspending」に登録された、国防総省(DoD)の連邦調達契約の1件です。受注企業・発注部局・契約額・概要が公開されています。本サイトは米国政府公式ではありません。
契約額は確定額ですか?
収集時点の累計値です。大型の防衛契約は複数年にわたり改定(モディフィケーション)が積み重なるため、金額は増減します。最新値は出典のUSAspendingで確認できます。
All-Up-Round とは何ですか?
迎撃機を構成するブースター・迎撃体・結合機構をすべて組み上げた「発射できる一発の完成品」を指す語です。部品単位ではなく一体として成立させることが対象になります。
なぜ開発段階でこの規模の金額になるのですか?
迎撃という機能は実際に撃って確かめる以外の検証手段が乏しく、試験そのものに大きな費用と長い時間がかかるためです。

出典(一次情報)

本記事は下記の米国政府公式の支出データに基づく独自整理です。正確・最新の内容は公式をご確認ください。

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