約27.39億ドル 国防総省・全軍共通 DEFINITIVE CONTRACT HQ086220C0002

サウジアラビア向け移動式レーダー AN/TPY-2 の生産に約27.4億ドル ― 対外有償軍事援助で渡るのは「撃つもの」だけではない(レイセオン/ミサイル防衛局)

ミサイル防衛局 2020-06-26 〜 2032-08-31

ミサイル防衛局が発注した、サウジアラビア向けの対外有償軍事援助(FMS)による移動式レーダー AN/TPY-2 の生産契約。契約期間は2020年6月から2032年8月までの12年。2026年8月28日時点で当サイトが保持する国防総省の契約207件のうち、概要にFMSと明記されている記録はこれ1件である。

契約の基本情報

  • 受注者RTX(レイセオン)
  • 契約額$2,738,715,983(約27.39億ドル)
  • 軍種国防総省・全軍共通
  • 発注機関国防総省
  • 発注部局ミサイル防衛局
  • 契約種別DEFINITIVE CONTRACT
  • 履行期間2020-06-26 〜 2032-08-31
  • 契約番号(PIID)HQ086220C0002

契約の概要(原文)

KSA FMS ARMY NAVY TRANSPORTABLE RADAR SURVEILLANCE AND CONTROL MODEL 2 (AN/TPY-2) PRODUCTION

要点

  • サウジアラビア向けの対外有償軍事援助(FMS)による移動式レーダー AN/TPY-2 の生産契約。発注はミサイル防衛局、受注者はレイセオン。
  • AN/TPY-2は移動式のレーダーで、迎撃弾ではなく飛来するものを捉えて追う側の装備にあたる。
  • 対外有償軍事援助は、米国政府が他国に代わって国内企業と契約し、装備を調達して引き渡す仕組み。
  • 2026年8月28日時点で当サイトが保持する207件のうち概要にFMSと明記されているのはこの1件だけだが、他国向けの記録は他にもあり、概要の書き方が統一されていないためである。
  • 契約期間は2020年6月26日から2032年8月31日までの12年。累計の契約額は約27.4億ドル。
  • 迎撃弾は撃ち落とせるかで、レーダーはどれだけ早く捉えられるかで性能を測る=両方そろって一続きの仕組みになる。

1迎撃する前に、見つける必要がある

ミサイル防衛というと迎撃弾に目が向きやすい。2026年8月28日時点で当サイトが保持する207件にも、THAADの迎撃弾、PAC-3、次世代迎撃ミサイルといった記録が並んでいる。だが撃つ前に、飛んでくるものを見つけて追い続けなければ何も始まらない。AN/TPY-2は移動式のレーダーで、その役目を担う。迎撃の成否は弾の性能だけでなく、どれだけ早く捉えられるかにも左右される。

装備の一覧では別々の項目に見えるものが、実際には一続きの仕組みとして働いている。

2米国が他国のために結ぶ契約

対外有償軍事援助は、米国政府が他国に代わって国内の企業と契約を結び、装備を調達して引き渡す仕組みである。買い手はサウジアラビアだが、契約の当事者は米国の機関と米国の企業になる。2026年8月28日時点で当サイトが保持する207件の概要を分類すると、FMSと明記されているのはこの1件だけである。

実際にはサウジ向けのF-15近代化やカタール向けの射撃ユニットなど、他国向けの記録も存在するが、概要の書き方が統一されていないため、文言で数えると1件になる。データを言葉で数えるときの限界がここに表れている。

312年という期間

契約期間は20206月から20328月までの12年に及ぶ。2026年8月28日時点で当サイトが保持する207件の契約期間では10年24件で最も多く、この記録もその帯に近い。装備の引き渡しは一度で終わらず、生産、納入、支援が続く。他国向けの調達であっても、米国の産業基盤の稼働がその期間ずっと関わり続けることを意味する。なお、生産される基数や引き渡しの時期は、この記録には含まれていない。

4撃つものと、見つけるもの

ミサイル防衛の記録を並べると、迎撃弾の契約が目につきます。しかし撃つ前に、飛んでくるものを見つけて追い続けなければ何も始まりません。この契約が対象とするのは、その後者です。

迎撃弾(撃つもの)レーダー(見つけるもの)
THAAD・PAC-3・次世代迎撃ミサイルAN/TPY-2 のような移動式レーダー
撃ち落とせるかで性能を測るどれだけ早く捉えられるかで性能を測る
一発ごとに消費される据えて使い続ける
迎撃の成否を直接決める迎撃に間に合うかどうかを決める

迎撃の成否は弾の性能だけでなく、どれだけ早く捉えられるかにも左右されます。装備の一覧では別々の項目に見えるものが、実際には一続きの仕組みとして働いています。対外有償軍事援助で他国へ渡るのは、撃つものだけではないということでもあります。

なぜ重要か

公開データを言葉で分類すると、書き方の揺れがそのまま件数の揺れになる。FMSと明記された記録が1件しかないのは、他国向けの調達が1件しかないことを意味しない。集計を出す側は、何を数えたのかを明示しなければ誤解を招く。装備の性格を見るうえでは、撃つものと見るものが別々に契約されている点も見落としやすい。

よくある質問(FAQ)

対外有償軍事援助(FMS)とは何ですか?
米国政府が他国に代わって国内の企業と契約を結び、装備を調達して引き渡す仕組みです。買い手は他国でも、契約の当事者は米国の機関と米国の企業になります。
レーダーもミサイル防衛の一部ですか?
はい。飛来するものを捉えて追わなければ迎撃は始まりません。装備の一覧では別項目でも、実際には一続きの仕組みとして働きます。
FMSの記録は1件だけですか?
いいえ。概要にFMSと明記されているのが1件というだけで、他国向けの記録は他にもあります。概要の書き方が統一されていないため、文言で数えると件数が実態とずれます。

出典(一次情報)

本記事は下記の米国政府公式の支出データに基づく独自整理です。正確・最新の内容は公式をご確認ください。

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