F-35 量産第11ロット(LRIP 11)に累計約123億ドル ― 開発から量産へ、ロット単位で買い続ける戦闘機調達(USAspending)
F-35統合打撃戦闘機の第11次低率初期生産(LRIP 11)の機体を担うロッキード・マーティンとの契約。累計約123億ドル($12,269,145,508)で、履行は2015年12月から2031年3月まで。F-35は年次の「ロット」単位で発注が続く方式で、本契約はその量産段階を示す記録。開発(SDD)契約と対で読める。
契約の基本情報
- 受注者ロッキード・マーティン
- 契約額$12,269,145,508(約122.69億ドル)
- 軍種国防総省・全軍共通
- 発注機関国防総省
- 発注部局国防契約管理局
- 契約種別DEFINITIVE CONTRACT
- 履行期間2015-12-21 〜 2031-03-31
- 契約番号(PIID)N0001916C0033
契約の概要(原文)
LRIP 11 AAC
要点
- F-35の第11次低率初期生産(LRIP 11)の機体契約=一次記録の分類「LRIP 11 AAC」
- 受注はロッキード・マーティン、累計約123億ドル($12,269,145,508・複数年の累計)
- 履行は2015年12月〜2031年3月=長納期資材の先行発注から納入後の残務まで続く長い構造
- 開発(SDD・約342億ドル)と量産ロットの二層構成=ロットごとに数量・価格を交渉し直す方式
- LRIP期は生産拡大と単価低下が並行する局面=国際パートナー・FMS顧客への納入も本格化
F-35の調達は「ロット」と呼ばれる年次のまとまりで発注される。開発が完了してから一括で量産するのではなく、低率初期生産(LRIP)として少しずつ生産を立ち上げ、テストと配備を並行しながらロットごとに数量と価格を交渉し直す方式だ。
本契約のLRIP 11はその第11巡目で、この頃には米軍に加えて国際パートナー・FMS(対外有償軍事援助)顧客への納入が本格化し、生産規模の拡大とともに機体単価が低下していく局面にあたる。
本サイトで既に解説した開発(SDD)契約(約342億ドル・21年)と本契約を並べると、F-35という単一プログラムが「開発の巨大契約」と「毎年積み上がる量産ロット契約」の二層で構成されていることが分かる。ロット方式は、技術の成熟に応じて数量・価格を柔軟に見直せる利点がある一方、開発と生産の並行(コンカレンシー)が設計変更の手戻りを量産機に波及させる構造も生んだ。
ロットごとの価格交渉が毎年ニュースになるのは、この方式が単価低減の主戦場だからである。
履行期間が2031年まで延びているのは、機体の納入後もスペア・残務・調整が契約に残り続けるためで、USAspendingの大型契約に共通する「長い尻尾」の典型でもある。
なぜ重要か
「開発契約」と「量産ロット契約」の二層を対で読むことで、単一兵器プログラムの資金構造が立体的に分かる。ロット方式の価格交渉は防衛産業の収益性を左右する主要イベントであり、防衛・航空を追う読者の基礎知識として参照価値が高い。F-35開発(SDD)契約の記事、ロッキード・マーティンのプロフィールと横断で読める。
よくある質問(FAQ)
これは何のデータですか?
契約額は確定額ですか?
LRIP(低率初期生産)とは?
なぜ履行期間が2031年まであるのですか。
出典(一次情報)
本記事は下記の米国政府公式の支出データに基づく独自整理です。正確・最新の内容は公式をご確認ください。
- USAspending(契約の詳細)
- 契約番号(PIID):N0001916C0033