同じ制度なのに、こちらは書き下されている ― F-35のロット6前倒し取得(ロッキード・マーチン・約71.9億ドル)
国防契約管理庁が発注したロッキード・マーチン向けの契約で、義務付け額は約71億8,614万ドル。説明欄には「F-35 ライトニングII 統合打撃戦闘機 低率初期生産 ロット6 前倒し取得契約」と書き下されている。
契約の基本情報
- 受注者ロッキード・マーティン
- 契約額$7,186,135,705(約71.86億ドル)
- 軍種国防総省・全軍共通
- 発注機関国防総省
- 発注部局国防契約管理局
- 契約種別DEFINITIVE CONTRACT
- 履行期間2011-08-08 〜 2023-05-31
- 契約番号(PIID)N0001911C0083
契約の概要(原文)
F-35 LIGHTNING II JOINT STRIKE FIGHTER (JSF) LOW RATE INITIAL PRODUCTION (LRIP) LOT 6 ADVANCE ACQUISITION CONTRACT
要点
- 説明欄には機種・生産段階・ロット番号・契約種別がすべて書き下されている。
- 当サイトが保持する別の記録では、同じ制度が「LRIP 10 AAC」の4語だけで記されている。
- 書き方の違いは契約の性質や金額ではなく、記録を作った側の慣行による。
- 2026年9月2日時点で当サイトが保持する207件のうち、説明欄にF-35が現れるのは6件・合計約802億ドル。
- 低率初期生産はロット単位で契約が切られるため、プログラムの総額を知るにはロットをまたいで集める必要がある。
- 義務付け額 約71億8,614万ドルに対し支出済み額は約1,910万ドルで、期間は約12年にわたる。
1同じ制度が二通りに書かれている
この記録の説明欄は、機種名(F-35 ライトニングII 統合打撃戦闘機)、生産の段階(低率初期生産)、ロット番号(6)、契約の種別(前倒し取得契約)をすべて書き下しています。一方、当サイトが保持する別の記録では、同じ制度が「LRIP 10 AAC」という4語だけで記されています。
書き方の違いは、契約の性質でも金額でもなく、記録を作った側の慣行によります。同じプログラムの同じ制度でありながら、公開データから読み取れる情報の量が変わってしまう——透明性の実際の水準は、制度ではなく記入の慣行に左右されます。
2F-35という一つのプログラムの広がり
説明欄に機種名が書かれている6件だけで約802億ドルにのぼります。書き下されていない記録を含めれば、実際の規模はこれより大きいはずですが、公開データの文言だけで束ねる限り、この6件しか拾えません。プログラム単位で支出を把握しようとするとき、記入の慣行がそのまま集計の上限になります。
3ロットごとに契約が切られる
低率初期生産は、ロット単位で契約が切られていきます。ロット6とロット10がそれぞれ別の記録として残るのは、この形によります。一つのプログラムの総額を知るには、ロットをまたいで集める必要があり、しかもロット番号が説明欄に書かれていない記録は、その集計から漏れます。
4義務付けと支出の距離
義務付け額が約71億8,614万ドルであるのに対し、支出済み額は約1,910万ドルと記録されています。国防の大型契約では、義務付けが先に大きく積み上がり、支出は工程の進行にあわせて長い時間をかけて追います。この記録の期間は2011年から2023年までの約12年にわたります。
なぜ重要か
公開データからプログラム単位の支出を把握しようとする場合、説明欄の記入の慣行が集計の上限を決めます。機種名で束ねる分析は、書き下された記録しか拾えないため、実際より小さい数字を出します。契約番号の系統、発注部局、受注者、期間を組み合わせて補うか、拾えなかった分を明示することが、公開データを使う側の実務上の要点になります。
よくある質問(FAQ)
なぜ説明欄の書き方が記録ごとに違うのですか。
F-35関連の支出はこれで全部ですか。
義務付け額と支出済み額が大きく違うのはなぜですか。
出典(一次情報)
本記事は下記の米国政府公式の支出データに基づく独自整理です。正確・最新の内容は公式をご確認ください。
- USAspending(契約の詳細)
- 契約番号(PIID):N0001911C0083