血糖測定システムのアプリの不具合(Z-2163-2026)― 優先度の低い処理が高い処理を塞ぎ、測定値の表示が遅れる
持続血糖測定システムのスマートフォンアプリについて、優先度の低いファイル入出力の確認が、測定値を処理する優先度の高い処理を塞ぐという不具合を理由とする回収。対象はアプリの特定のバージョンで、数量は58,582とされる。
リコールの概要(一次情報)
- 分類クラスII(中程度)
- 対象種別医療機器
- 回収企業Dexcom, Inc.
- 理由A software defect in which a low-priority file I/O check blocks the higher-priority thread responsible for processing estimated glucose values (EGVs) and trend arrows. When the app is running in the background, EGV notifications may queue up and then "replay" sequentially when the user brings the app to the foreground, causing the Glucose Compass to flicker through previous EGVs. In more severe instances, the app may perceive signal loss and deploy signal loss mitigations. This delay in EGV and alert processing creates a risk that users may miss detection of a hypoglycemic or hyperglycemic event, or make treatment decisions based on outdated glucose information.
- 流通範囲SW12300 & SW13355 Dexcom G7 iOS and watchOS app versions 2.9.0 through 2.11.2: Worldwide - US Nationwide including in the states of AK, AL, AR, AZ, CA, CO, CT, DC, DE, FL, GA, HI, IA, ID, IL, IN, KS,...
- 回収開始日2026-04-14
要点
- 持続血糖測定システムのスマートフォンアプリについて、ソフトウェアの不具合を理由とする回収。
- 優先度の低いファイル入出力の確認が、測定値と傾向を処理する優先度の高い処理を塞ぐとされる。
- アプリが背面で動作していると通知が滞留し、前面に戻したときに過去の値が順に表示されうる。
- 対象はアプリのバージョン2.9.0から2.11.2までで、物の回収における製造ロットと同じ役割を果たしている。
- 区分はクラスIIで、数量は58,582、流通は米国全土および多数の国に及ぶ。
1回収されるのはアプリ
この記録の対象は、物として存在する器具ではなく、スマートフォンのアプリの特定のバージョンです。医療機器の一部としてのソフトウェアが、回収の対象になっています。当サイトが保持する記録には、こうしたソフトウェアの不具合を理由とする回収が複数含まれます。
対象がバージョン2.9.0から2.11.2までと特定されているのは、この違いによるものです。物の回収では製造ロットで範囲が決まりますが、ソフトウェアではバージョンが同じ役割を果たします。
2何が起きるのか
- 1仕組み優先度の低いファイル入出力の確認が動く
- 2影響測定値と傾向を処理する、優先度の高い処理が塞がれる
- 3背面で動作している場合測定値の通知が滞留する
- 4前面に戻したとき滞留していた通知が順に再生され、過去の値が次々と表示される
処理の優先度の付け方に起因する不具合です。本来は測定値の処理が優先されるべきところ、優先度の低い確認処理がそれを待たせてしまいます。結果として、利用者が見ている値が現在のものではなくなる時間が生じます。
3血糖の測定という用途
持続血糖測定は、測定値の変化に応じて対応を判断するための仕組みです。表示される値が現在のものでなければ、判断の前提が変わります。区分はクラスIIで、一時的または医学的に可逆的な健康被害の可能性があるとされる区分にあたります。
4ソフトウェアが機器になるということ
測定した値を表示するアプリは、それ自体が医療機器の一部として規制の対象になります。当サイトでは、医療機器の分類や届出の仕組みについても別の記事で扱っています。物として存在しないものが機器として扱われ、バージョン番号で範囲が特定され、更新の配布で是正される。回収という言葉が指す実際の作業は、対象によって大きく異なります。
なぜ重要か
ソフトウェアが医療機器の一部として規制される場合、回収はバージョン番号で範囲が決まり、是正は更新の配布で行われる。利用者が更新するまで古い版が残るため、周知の到達が是正の実効性を左右する。
よくある質問(FAQ)
アプリも回収の対象になるのですか?
物の回収とどう違いますか?
出典(一次情報)
出典:openFDA(米国FDA・CC0 パブリックドメイン)。データは無保証で、医療判断には用いないでください。最新・正確な情報は FDA公式のリコール情報をご確認ください。本サイトは米国FDAに推奨・認定されたものではありません。
- FDA リコール情報(公式)
- openFDA(データ提供元)
- リコール番号: Z-2163-2026