クラスII(中程度) 医療機器 Z-2574-2026 Ongoing

廃棄されるはずのセンサーが薬局に並んだ ― 出荷記録の無い回収(2026年5月)

Dexcom, Inc. 報告 2026年7月1日

米デックスコムの持続血糖測定センサーのうち、廃棄予定として分別されていたロットが破棄の過程で盗まれ、薬局や卸に販売されました。出荷記録が存在しないため、流通先はアプリの利用データから推定されています。

リコールの概要(一次情報)

  • 分類クラスII(中程度)
  • 対象種別医療機器
  • 回収企業Dexcom, Inc.
  • 理由Certain lots of Dexcom G7 sensors originally designated as scrap and intended for destruction were stolen during the destruction process. The sensors were later sold to pharmacies and distributors by Pharmsource, LLC. Lot 1725204004 were designated for destruction because the G7 sensors were not properly sterilized and have an increased risk of skin infection if used. Lot 1725069002 were designated for destruction due to an increased risk of having no sensor readings available or experiencing sensor inaccuracy that includes the potential for missed detection of a hyperglycemic event or incorrect treatment decisions that can result in patient injury, including medical intervention to prevent permanent injury or impairment. Additionally, due to the unknown storage and handling and storage conditions these sensors may have undergone during the distribution, these sensors may present additional risk.
  • 流通範囲Dexcom does not have distribution records for this product due to its unauthorized release. However Dexcom is able to identify sensor session starts for the affected lots through the Dexcom G7 CGM App...
  • 回収開始日2026-05-27

要点

  • 対象は Dexcom G7 持続血糖測定システムの米国小売向けセンサー/トランスミッター1個入り(型番 STP-AT-012)です。
  • 廃棄予定として分別されていたロットが破棄の過程で盗まれ、その後 Pharmsource, LLC により薬局および卸売業者に販売されました。
  • ロット 1725204004 は適切に滅菌されておらず、使用時に皮膚感染のリスクが高まるとされています。
  • ロット 1725069002 は測定値が得られない、または高血糖の見逃しや誤った治療判断につながる不正確さのリスクが高まるとされています。
  • 出荷記録が存在しないため、流通先はアプリの利用データからセンサーの使用開始を識別する形で把握されています。

1区分IIとは何かを、8つの記録から読む

FDAの回収記録には区分(classification)が付きます。区分Iは、重篤な健康被害や死亡につながる合理的な確率があるもの。区分IIは、一時的あるいは医学的に元へ戻せる健康上の影響のおそれがあるか、重篤な影響の可能性が低いものです。この連載では、なぜこれが最も重い区分にならなかったのかという問いを、8つの記録に当てていきます。

2記録の側は区分IIが多数派

2026年9月5日時点で当サイトが保持する1,408件のうち解説を書いていないもの1,315件区分IIが1,063件(80.8%)・区分Iが252件(19.2%)
製品の種別機器744件(56.6%)食品304件(23.1%)・医薬品267件(20.3%)
回収の状態進行中1,290件(98.1%)終了14件(1.1%)・完了11件(0.8%)

記録の8割は区分IIです。 重篤な被害に至る確率が高いものだけが回収されるわけではなく、大半は「起こりうるが元に戻せる」範囲の判断で動いています。その判断の中身を見ていきます。

3経路が異例でも、区分は結果で決まる

この記録が特異なのは、製品が市場に出た経路です。廃棄されるはずのセンサーが破棄の過程で盗まれ、第三者を通じて薬局や卸に売られました。

観点通常の回収この回収
市場に出た経路製造者が出荷した廃棄予定品が盗まれ、第三者が販売した
出荷記録存在する存在しない
流通先の把握出荷記録から特定するアプリの利用データからセンサーの使用開始を識別する
区分区分II

盗品であるという事実は、区分を重くしていません。 区分が見ているのは、その製品が使われたときに何が起こりうるかであって、どう市場に出たかではないためです。

4二つのロットが分別された理由

  1. 1ロット 1725204004適切に滅菌されておらず、使用された場合に皮膚感染のリスクが高まるため
  2. 2ロット 1725069002測定値が得られない、または高血糖の見逃しや誤った治療判断につながる不正確さのリスクが高まるため
  3. 3共通する追加のリスク流通の過程での保管・取扱いの条件が不明であること
  4. 4流通先の推定アプリの利用データにより、ロット 1725069002 は米国に加え日本を含む23の国・地域で使用開始が確認された

皮膚感染も、測定の不正確さも、医療的介入によって元に戻せる範囲にあります。だから区分IIです。ただし記録は、傷害には恒久的な障害や機能低下を防ぐための医療的介入が含まれうるとも書いています。区分IIの上限に近い記述です。

なぜ重要か

回収の区分は、その製品が使われたときに何が起こりうるかで決まる。市場に出た経路がどれほど異例であっても、それ自体は区分を重くしない。一方で、出荷記録が存在しないという事態は回収の実務を根本から変える。誰の手元にあるかを製造者が知らないため、機器の利用データという別の経路で流通先を推定するほかない。

よくある質問(FAQ)

なぜ盗品なのに区分IIなのですか?
区分は製品が使われたときに何が起こりうるかで決まり、市場に出た経路によっては変わらないためです。
なぜ出荷記録が無いのですか?
製造者が出荷したものではなく、廃棄予定品が無許可で市場に出たためです。記録は、アプリの利用データによって使用開始を識別したと説明しています。
どの範囲に流通しましたか?
ロット 1725069002 については、アプリの利用データにより米国に加え日本を含む複数の国・地域で使用開始が確認されたとされています。

出典(一次情報)

出典:openFDA(米国FDA・CC0 パブリックドメイン)。データは無保証で、医療判断には用いないでください。最新・正確な情報は FDA公式のリコール情報をご確認ください。本サイトは米国FDAに推奨・認定されたものではありません。

#FDAリコール#医療機器#持続血糖測定#米国#製品安全
免責: 本サイトは各公式データソースをもとに独自に要約・分類したものです。最新・正確な情報は必ず公式ソースをご確認ください。金融・医療・法務・セキュリティに関する内容は情報整理であり、助言ではありません。本サイトは米国政府の公式サイトではありません。