クラスI(最も重大) 医療機器 Z-2157-2026 Ongoing

血液透析用カテーテル 92,827本を回収 ― 「割れて外れるはずの部品」が割れないという不具合(Arrow International)

ARROW INTERNATIONAL, LLC 報告 2026年5月20日

米食品医薬品局(FDA)は、Arrow International の血液透析用カテーテル「Arrow-Clark VectorFlow」を最も重いクラスIに分類した。キットに含まれる16F の分割式シースイントロデューサが意図どおりに割れないおそれがあり、抜去時の抵抗、処置時間の延長、疼痛、出血、血腫、組織や血管壁の損傷につながりうるとされる。数量は92,827で、日本を含む世界各国へ流通した。

リコールの概要(一次情報)

  • 分類クラスI(最も重大)
  • 対象種別医療機器
  • 回収企業ARROW INTERNATIONAL, LLC
  • 理由16F dual-valved splittable sheath introducer, the subject of a supplier recall, was included in impacted hemodialysis kits & sets. Sheath introducer may not split as intended, and may result in withdrawal resistance, prolonged procedure time, pain, bleeding, hematoma, tissue injury, vessel wall injury.
  • 流通範囲Worldwide distribution: US nationwide and countries of: AE, AL, AR, AT, AU, BE, BG, BS, BR, BW, CA, CH, CL, CN, CO, CZ, DE, EC, EE, ES, FR, GB, GR, GT, HU, ID, IE, IN, IT, JP, KW, KZ, LB, LT, LU, MN,...
  • 回収開始日2026-04-10

要点

  • リコール番号 Z-2157-2026。区分はFDAで最も重いクラスI、状態は継続中(Ongoing)。数量は92,827。
  • 対象は Arrow-Clark VectorFlow 血液透析用カテーテル等。供給元リコール対象の16F分割式シースイントロデューサを同梱。
  • 分割式シースは「縦に割いて外す」ことが設計上の機能で、割れないと体外へ出す手段が限られる。
  • 記録された帰結は、抜去時の抵抗、処置時間の延長、疼痛、出血、血腫、組織損傷、血管壁の損傷。
  • 流通は米国全土に加え日本を含む約60の国・地域。開始日2026年4月10日、報告日2026年5月20日。
  • 2026年9月1日時点で当サイトが保持するFDAの回収記録のうち医療機器779件の理由は、誤り63・漏れ59・無菌性52・表示51・封と割れ各39・外れ33・ソフトウェア26。

1「割れて外れる」ことが機能である部品

分割式(splittable)のシースイントロデューサは、血管に太い管を入れるための一時的な通り道です。カテーテル本体を通し終えたあと、この通り道は不要になりますが、そのまま引き抜くことはできません。カテーテルが中を通っているためです。そこで、縦に割いて左右へ外せる構造になっています。つまりこの部品は、割れることそのものが設計上の機能です。

2割れないと何が起きるか

記録が挙げている結果は、抜去時の抵抗、処置時間の延長、疼痛、出血、血腫、組織損傷、血管壁の損傷です。割れないという一点から、これだけの帰結が並ぶのは、その部品がすでに血管の中に入った状態で問題が起きるためです。機能しない部品を体外へ出すには、力を加えるか別の手技をとることになり、いずれも血管への負荷になります。故障が発覚するのが「処置の最中」であることが、この不具合の重さを決めています。

392,827本という数量と世界流通

数量は92,827で、当サイトが収録している医療機器のリコールの中でも大きい部類に入ります。流通は米国全土に加え、日本を含む約60の国・地域に及びます。本件も供給元のリコールに由来する連鎖であり、当サイトの収集範囲では、供給元起点と明記された執行記録は7社・94件に及んでいます。

4機器の回収は何を理由に挙げているか

2026年9月1日時点で当サイトが保持するFDAの回収記録のうち医療機器は779件あります。回収の理由に現れる語を数えると、誤り(incorrect)が63件、漏れ(leak)が59件、無菌性が52件、表示が51件、封(seal)と割れ(crack)が各39件、外れ(detach)が33件、ソフトウェアが26件です。

誤り(incorrect)63 / 779
漏れ(leak)59 / 779
無菌性52 / 779
表示51 / 779
封/割れ39 / 779
外れ(detach)33 / 779
ソフトウェア26 / 779

上位に並ぶのは、部品が本来の形を保てないという物理的な不具合です。この記録のように「割れて外れるはずの部品が割れない」という形は、壊れることではなく設計どおりに動かないことが問題になる類型で、機器に固有のものです。

なぜ重要か

透析は継続的な治療で消耗品の消費量が多く、大量回収は在庫の問題であると同時に調達の問題になる。同じ供給元の部品を複数社が採用している構造では、代替品も同時に回収対象になりうるため、代替の選択肢が同時に狭まる。調達側では、同一の上流部品に依存している製品群を平時から把握できているかが、供給途絶時の対応力を決める。

よくある質問(FAQ)

分割式シースイントロデューサとは何ですか。
血管に太い管を入れるための一時的な通り道です。カテーテルを通し終えたあと、そのままでは引き抜けないため、縦に割いて左右へ外せる構造になっています。
なぜ「割れない」だけで多くの帰結が並ぶのですか。
問題が起きるのが、その部品がすでに血管の中に入った状態だからです。機能しない部品を体外へ出すには力を加えるか別の手技をとることになり、いずれも血管への負荷になります。
日本にも流通していますか。
執行記録の流通先には日本(JP)を含む約60の国・地域が挙げられています。実際の対応は各国の規制当局と製造販売元の案内に従ってください。

出典(一次情報)

出典:openFDA(米国FDA・CC0 パブリックドメイン)。データは無保証で、医療判断には用いないでください。最新・正確な情報は FDA公式のリコール情報をご確認ください。本サイトは米国FDAに推奨・認定されたものではありません。

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