クラスI(最も重大) 医薬品 D-0772-2026 Ongoing

FDAクラスIリコール:注射剤のエンドトキシンが規格外 ― 菌を殺しても残る発熱物質(Victory Medical Center Pharmacy)

Victory Medical Center Pharmacy 報告 2026年8月19日

米食品医薬品局(FDA)は、Victory Medical Center Pharmacy が調製したグルタチオン注射剤(200mg/mL、30mLバイアル)を最も重いクラスIに分類した。理由は無菌製剤の微生物汚染で、細菌エンドトキシンの試験結果が規格外だったこと。数量は91本で、全米に流通した。

リコールの概要(一次情報)

  • 分類クラスI(最も重大)
  • 対象種別医薬品
  • 回収企業Victory Medical Center Pharmacy
  • 理由Microbial Contamination of Sterile Products - out of specifications results were obtained for bacterial endotoxin.
  • 流通範囲USA Nationwide
  • 回収開始日2026-07-01

要点

  • リコール番号 D-0772-2026。区分はFDAで最も重いクラスI、状態は継続中(Ongoing)。
  • 対象はグルタチオン注射剤(MDV)200mg/mL・30mLバイアル。アスコルビン酸、ベンジルアルコール1.5%等を含む組成と記録。
  • 回収理由は無菌製剤の微生物汚染で、細菌エンドトキシンが規格外(out of specification)。
  • エンドトキシンは菌を殺しても残る耐熱性の成分で、無菌試験とは別に測定される。
  • 数量91本、流通は全米。回収企業はテキサス州の薬局。開始日2026年7月1日、報告日2026年8月19日。
  • 2026年9月1日時点で当サイトが保持するFDAの回収記録1,408件のうち、エンドトキシンを理由に挙げるものは17件。

1エンドトキシンは「菌を殺しても残る」

細菌エンドトキシンは、グラム陰性菌の細胞壁の外側にある成分(リポ多糖)です。特徴は、菌そのものが死んでも壊れずに残ることにあります。加熱や滅菌の工程で菌を殺すことはできても、エンドトキシンは熱に強く、そのまま製品に残りうるのです。

このため注射剤では、無菌かどうかの試験とは別に、エンドトキシンの量を測る試験が行われます。血流に入ったエンドトキシンは発熱や炎症反応を引き起こし、量が多ければ重い全身反応につながりうるためです。今回の回収理由が「無菌製剤の微生物汚染」でありながら、具体的な不合格事由がエンドトキシンの規格外である点は、この二段構えの管理を反映しています。

2多回投与バイアル(MDV)という形態

製品名にある MDV は multi-dose vial、つまり1本から複数回にわたって薬液を取り出す前提のバイアルです。組成に含まれるベンジルアルコール1.5%は、繰り返し針を刺しても菌が増えないようにするための保存剤として一般に用いられる成分です。

ただし保存剤は、後から入る菌の増殖を抑えるためのものであって、製造時点で混入したエンドトキシンを消すものではありません。多回投与という形態は、1本の不具合が複数回の投与に及ぶことも意味します。

391本・全米流通

数量は91本と少なく、回収を行っているのは製薬企業ではなく薬局です。記録に残る組成は複数の成分を混ぜた特定の処方であり、既製の承認医薬品ではなく、施設で調製された注射剤の形をとっています。数量が少なくても流通は全米に及んでいます。

4エンドトキシンを理由とする記録は17件

2026年9月1日時点で当サイトが保持するFDAの回収記録1,408件のうち、回収の理由にエンドトキシンが現れるものは17件です。

エンドトキシンを理由とする記録17 / 1408

無菌そのものを問う記録が多いなかで、発熱物質の量を理由に挙げる記録は限られます。菌がいないことと、菌がいた痕跡が残っていないことは別の要件であり、後者は試験をして初めて分かります。数が少ないのは問題が少ないからではなく、測らなければ見えない種類の不合格だからです。

なぜ重要か

注射剤の品質は、無菌性とエンドトキシン量という2つの独立した要件で担保されます。滅菌工程は菌を殺せてもエンドトキシンを除去できないため、原料・器具・用水の段階で菌を増やさないことが実質的な管理点になります。少量を施設で調製する注射剤では、工程の記録と試験の頻度が結果に直結します。多回投与バイアルの形態では、1本の不具合が複数回の投与に及ぶため、対象の特定は投与記録まで含めて行う必要があります。

よくある質問(FAQ)

エンドトキシンとは何ですか。
グラム陰性菌の細胞壁の外側にある成分(リポ多糖)です。熱に強く、菌を殺しても壊れずに残るため、無菌かどうかとは別に量を測る試験が行われます。
無菌なのにエンドトキシンが問題になるのはなぜですか。
滅菌で菌を殺してもエンドトキシンは残るためです。血流に入ると発熱や炎症反応を起こし、量が多ければ重い全身反応につながりうるとされています。
MDVとは何ですか。
multi-dose vial(多回投与バイアル)の略で、1本から複数回にわたって薬液を取り出す前提のバイアルです。組成のベンジルアルコールは、繰り返し使用時に菌が増えるのを抑える保存剤として一般に用いられます。

出典(一次情報)

出典:openFDA(米国FDA・CC0 パブリックドメイン)。データは無保証で、医療判断には用いないでください。最新・正確な情報は FDA公式のリコール情報をご確認ください。本サイトは米国FDAに推奨・認定されたものではありません。

#FDA#リコール#クラスI#医薬品#注射剤#エンドトキシン#無菌
免責: 本サイトは各公式データソースをもとに独自に要約・分類したものです。最新・正確な情報は必ず公式ソースをご確認ください。金融・医療・法務・セキュリティに関する内容は情報整理であり、助言ではありません。本サイトは米国政府の公式サイトではありません。