調剤施設が作ったセマグルチド注射液から繊維状の異物 ― 9,762バイアルが回収対象に
Apollo Care社が調製したセマグルチド4.5mg(0.9mg/mL)の5mL滅菌マルチドーズバイアルが、ナイロン/ポリアミドおよび絹/タンパク質様の物質と特定された異物の存在を理由に回収された。対象は9,762バイアル、分類はClass II、米国内全域に流通した。
リコールの概要(一次情報)
- 分類クラスII(中程度)
- 対象種別医薬品
- 回収企業Apollo Care, LLC
- 理由Presence of Particulate Matter; identified as a nylon/polyamide and silk/proteinaceous-type material
- 流通範囲Nationwide within the U.S
- 回収開始日2026-07-29
要点
- Apollo Care社が調製したセマグルチド4.5mg(0.9mg/mL)の5mL滅菌マルチドーズバイアル9,762本が回収の対象となった。
- 理由は、ナイロン/ポリアミドおよび絹/タンパク質様の物質と特定された異物の存在。
- 分類はClass II。回収の着手日は2026年7月29日、報告日は2026年8月19日、米国内全域に流通。
- 同社の別規格(セマグルチド5mg・グリシン25mg配合、250バイアル)にも同じ理由の記録がある。
- 2026年9月2日時点で当サイトが保持する1,408件のうち、回収理由に異物・粒子が現れるものは49件。
1注射液に混じる繊維
注射液に異物が混じることは、経口薬とは別の重みを持ちます。消化管を経由せず組織や血流に直接入るためです。この事案で特定された異物は、ナイロン/ポリアミドおよび絹/タンパク質様の物質と記録されています。合成繊維と天然繊維の双方に由来しうる材質で、製造や充填の工程で使われる資材が混入した可能性を示唆する記述です。
2異物混入という型の位置
異物・粒子を理由とする回収は、2026年9月2日時点で当サイトが保持する1,408件のうち49件です。無菌性・微生物の353件と比べれば少数ですが、注射剤のように投与経路が直接的な製品では影響が大きくなります。同じ会社の別規格(セマグルチド5mgとグリシンの配合、250バイアル)についても同じ理由の記録が残っており、製造ロットや工程を共有する製品にまたがって影響が及んだ形です。
3調剤・受託調製という領域
セマグルチドはGLP-1受容体作動薬として知られる成分で、需要の高まりを背景に、大手製薬企業の製品とは別に、調剤施設が個別の処方に応じて調製する形でも供給されてきました。この事案の対象も、そうした調製品にあたります。大量生産の医薬品と、処方に応じて調製される製品とでは、品質管理の枠組みと規模が異なります。
回収記録を読む際には、どの枠組みで作られた製品かを見分けることが、事案の性格を理解する助けになります。
4分類が示す評価
分類はClass IIで、2026年9月2日時点で当サイトが保持する1,408件のうち1,089件がこの分類にあたります。分類は、その製品を使用したときに健康被害が起きる可能性と重大性の評価を反映します。回収に着手したのは企業自身で、同じ時点の1,408件のうち1,392件が企業の自主的な着手です。
使用中の製品への対応は、自己判断で中止せず、必ず医療専門家とFDAおよび製造販売元の公式情報にしたがってください。
なぜ重要か
需要の高い成分が調剤・受託調製の経路でも供給される状況で、その経路の品質管理が回収記録として表面化した事例。同一工程を共有する複数規格に影響が及ぶ点も、調製規模と管理体制の関係を示す。
よくある質問(FAQ)
注射液の異物はなぜ問題なのですか?
大手製薬企業の製品とは違うのですか?
出典(一次情報)
出典:openFDA(米国FDA・CC0 パブリックドメイン)。データは無保証で、医療判断には用いないでください。最新・正確な情報は FDA公式のリコール情報をご確認ください。本サイトは米国FDAに推奨・認定されたものではありません。
- FDA リコール情報(公式)
- openFDA(データ提供元)
- リコール番号: D-0750-2026