ブラックホーク/シーホーク・ヘリの多年度一括調達に累計約100億ドル ― 陸軍・海軍・同盟国向けを1本の契約で(USAspending)
陸軍が発注したシコルスキー(現ロッキード・マーティン傘下)とのヘリコプター調達契約。一次記録の概要には陸軍UH-60Mブラックホーク54機・海軍MH-60Sシーホーク18機・MH-60R 25機に加え、バーレーン国防軍向けUH-60M 9機、治工具・プログラム管理・技術刊行物まで明記される。累計約100億ドル($9,971,085,290)・履行2007〜2016年。軍種横断+同盟国向けを1本に束ねる「多年度まとめ買い」の実例。
契約の基本情報
- 受注者ロッキード・マーティン
- 契約額$9,971,022,710(約99.71億ドル)
- 軍種陸軍
- 発注機関国防総省
- 発注部局陸軍省
- 契約種別DEFINITIVE CONTRACT
- 履行期間2007-12-12 〜 2026-04-16
- 契約番号(PIID)W58RGZ08C0003
契約の概要(原文)
PROCUREMENT OF 54 EACH ARMY UH-60M BLACK HAWK HELICOPTERS; 18 EACH NAVY MH-60S SEA HAWK HELICOPTERS; 25 EACH NAVY NH-60R SEA HAWK HELICOPTERS; 9 EACH UH-60M BLACK HAWK HELICOPTER FOR BAHRAIN DEFENSE FORCE; TOOLING; PROGRAM SYSTEMS MANAGEMENT; TECHNICAL PUBLICATIONS.
要点
- 一次記録の概要に明記=陸軍UH-60M×54・海軍MH-60S×18・MH-60R×25・バーレーン向けUH-60M×9+治工具・管理・技術刊行物(当初発注分)
- 受注はシコルスキー・エアクラフト(2015年からロッキード・マーティン傘下)、発注は陸軍
- 累計約100億ドル($9,971,085,290・複数年の累計)、履行2007年12月〜2016年9月
- 軍種横断(陸軍・海軍)+FMS(同盟国向け)を1本の多年度契約に束ねる「まとめ買い」の実例
- 多年度契約は単価低減と生産安定を狙う一方、将来予算を縛るため議会の承認要件が厳しい
H-60系ヘリコプターは、陸軍のUH-60ブラックホーク、海軍のMH-60S/Rシーホークと派生しながら、米軍の回転翼機の背骨であり続けてきた機体ファミリーである。この契約が面白いのは、軍種の異なる複数の型式と、同盟国(バーレーン)向けのFMS分までを、陸軍が一括発注の「器」にまとめている点だ。
同じ生産ラインから出る機体をまとめて買うことで、部材調達と生産計画を安定させ、1機あたりの価格を抑える——潜水艦のブロック買いと同じ論理が、ヘリコプターでは軍種横断・輸出混載という形をとる。
多年度契約(マルチイヤー)は、単年度予算の制約を超えて数年分の数量を約束する方式で、メーカー側は部材の先行一括調達と雇用計画の安定を得、政府側は値引きを得る。一方で、将来の予算を先に縛るため議会の承認要件が厳しく、「本当に安くなったのか」の検証が常に付いて回る。
本契約の履行期間(2007〜2016年)と累計約100億ドルという規模は、この方式が定着していた時期のH-60調達の実像を示す。
シコルスキーは2015年にロッキード・マーティンに買収され、H-60ファミリーの生産は同社の傘下に移った。本サイトの受注ランキングでロッキード・マーティンが首位に立つ背景には、F-35だけでなく、こうした回転翼機の長期需要も含まれている。
なぜ重要か
「多年度・軍種横断・輸出混載」というまとめ買いの設計は、装備の単価と産業基盤の安定を左右する調達政策の核心。回転翼機の長期需要が防衛大手の収益基盤の一角であることも示す。ロッキード・マーティン(現シコルスキー親会社)のプロフィール、F-35・潜水艦の各記事と「まとめ買いの型」比較で読める。
よくある質問(FAQ)
これは何のデータですか?
契約額は確定額ですか?
H-60ファミリーとは?
出典(一次情報)
本記事は下記の米国政府公式の支出データに基づく独自整理です。正確・最新の内容は公式をご確認ください。
- USAspending(契約の詳細)
- 契約番号(PIID):W58RGZ08C0003