ミサイル防衛「PAC-3」の生産に累計約98.5億ドル ― 2024年に陸軍がロッキード・マーティンへ発注した終末迎撃ミサイル(USAspending)
USAspendingによれば、米陸軍はミサイル防衛用の迎撃ミサイル「PAC-3(PATRIOT Advanced Capability-3)」の生産を、ロッキード・マーティンへ発注した。契約額は累計約98.5億ドル($9,852,834,752)、2024年6月開始・2030年9月までの確定契約。飛来する弾道ミサイル等を直撃で破壊する終末(下層)防空の中核装備の量産契約である。
契約の基本情報
- 受注者ロッキード・マーティン
- 契約額$9,797,783,795(約97.98億ドル)
- 軍種陸軍
- 発注機関国防総省
- 発注部局陸軍省
- 契約種別DEFINITIVE CONTRACT
- 履行期間2024-06-28 〜 2030-09-30
- 契約番号(PIID)W31P4Q24C0022
契約の概要(原文)
EXECUTE PHASED ARRAY TRACKING RADAR TO INTERCEPT ON TARGET (PATRIOT) ADVANCED CAPABILITY-3 (PAC-3) MISSILE PRODUCTION BY PROVIDING INCIDENTAL SERVICES, HARDWARE, FACILITIES, EQUIPMENT, AND TECHNICAL, PLANNING, MANAGEMENT, AND MANUFACTURING EFFORTS.
要点
- 陸軍が迎撃ミサイル「PAC-3」の生産をロッキード・マーティンへ発注。累計約98.5億ドル($9,852,834,752)。
- 確定契約(DEFINITIVE CONTRACT)、履行期間2024年6月28日〜2030年9月30日。
- PAC-3はPATRIOTシステムの迎撃ミサイルで、脅威に直接命中させて破壊する「ヒット・トゥ・キル」方式(終末・下層防空)。
- 概要は「生産+付随する役務・設備・技術/計画/管理/製造」まで。数量・配備先は原文になく補完しない。
- 数年がかりの量産契約=迎撃弾の継続生産という防衛体制の土台への投資と読める。
PAC-3は、地対空ミサイルシステム「PATRIOT(ペトリオット)」で運用される迎撃ミサイルだ。
正式名称の Phased Array Tracking Radar to Intercept On Target(フェーズドアレイ・レーダーで目標を追尾し迎撃する)が示すとおり、レーダーで捉えた弾道ミサイルや航空機などの脅威に対し、迎撃弾を直接命中させて破壊する「ヒット・トゥ・キル」方式を採る。
爆薬の破片で脅威を無力化する旧来方式に比べ、命中精度そのもので撃ち落とす考え方で、終末段階(目標が最終的に降ってくる下層)の防空を担う。
本契約でUSAspendingに記録されているのは、この迎撃ミサイルの「生産」と、それに付随する役務・ハードウェア・施設・設備、そして技術・計画・管理・製造の各努力である。原文の概要はここまでで、具体的な生産数量や配備先までは記されていない(本サイトは概要に無い内容は補わない)。
読み取れるのは、単発の購入ではなく、量産を継続的に支える体制ごと1本の大型契約にまとめている、という米国の装備調達の型だ。
注目したいのは発注時期と規模である。2024年に始まり2030年まで続く累計約98.5億ドルの契約は、弾道ミサイルの脅威が増す環境下で、迎撃ミサイルの生産能力を数年がかりで積み増そうとする意思のあらわれと読める。ミサイル防衛は「撃つ弾がなければ機能しない」以上、迎撃弾そのものの継続生産は、防衛体制の実効性を左右する土台である。
なぜ重要か
迎撃ミサイルの継続生産は、ミサイル防衛の実効性を支える土台であり、数年にわたる大型契約はその生産能力の増強を示す。米国の装備調達では、単発購入ではなく量産体制ごと1本の契約にまとめる型が多く、本件はその典型。防衛産業・安全保障の動向を追う読者にとって、迎撃弾という「消耗する装備」への継続投資の規模感を把握する材料になる。
よくある質問(FAQ)
これは何のデータですか?
契約額は確定額ですか?
PAC-3とは何ですか。
出典(一次情報)
本記事は下記の米国政府公式の支出データに基づく独自整理です。正確・最新の内容は公式をご確認ください。
- USAspending(契約の詳細)
- 契約番号(PIID):W31P4Q24C0022