カタール向け「10個の射撃ユニット」に約56億ドル ― 米国が他国のために結ぶ契約という形(レイセオン・陸軍)
米陸軍が、カタール向けの射撃ユニット10個を レイセオンに発注した。契約額は約56.1億ドル、履行期間は2014年12月から2025年5月まで。買い手はカタールでありながら、契約の当事者は米陸軍と米企業である——対外有償軍事援助(FMS)と呼ばれるこの形は、公開データの読み方に影響する。
契約の基本情報
- 受注者RTX(レイセオン)
- 契約額$5,607,558,999(約56.08億ドル)
- 軍種陸軍
- 発注機関国防総省
- 発注部局陸軍省
- 契約種別DEFINITIVE CONTRACT
- 履行期間2014-12-19 〜 2025-05-31
- 契約番号(PIID)W31P4Q15C0022
契約の概要(原文)
TEN FIRE UNITS FOR QATAR
要点
- 陸軍が「カタール向け射撃ユニット10個」を レイセオンに発注。契約額は約56.1億ドル($5,607,558,999・累計)。
- 履行期間は2014年12月19日〜2025年5月31日。契約種別は DEFINITIVE CONTRACT。
- 対外有償軍事援助(FMS)=買い手国が米国政府と取り決め、米国政府が自国の手続きで企業に発注する方式。
- Fire Unit(射撃ユニット)は発射機・レーダー・管制装置等を組み合わせた運用上のひとまとまり。弾数ではない。
- 装備の名称・型式は原文の概要に記載がなく、支出額(outlays)も本データに記録がない。
- 射撃ユニットは発射機・レーダー・管制装置・関連車両を含む運用上のひとまとまりで、10という数字は弾数ではない。
1「カタール向け」なのに米国の調達データに載る理由
米国が同盟国へ装備を売る経路の一つに、対外有償軍事援助(Foreign Military Sales, FMS)がある。この方式では、買い手の国は米企業と直接契約するのではなく、米国政府と取り決めを結び、米国政府が自国の調達手続きを使って企業に発注する。したがって契約の当事者は米陸軍と米企業であり、代金は買い手国が負担する。
概要に「FOR QATAR」と書かれた契約が米国の調達データに現れるのは、この構造による。
2「射撃ユニット」という数え方
Fire Unit(射撃ユニット)は、発射機・レーダー・管制装置・関連車両などを組み合わせた運用上のひとまとまりを指す言い方で、ミサイル1発を単位とする数え方とは別のものである。「10個」という数字は弾数ではなく、独立して運用できる単位の数を意味する。なお本レコードの概要には装備の名称も型式も記載がないため、どの体系を指すかは当サイトでは特定していない。
3支出額が記録されていない
本レコードには支出額(outlays)の記録がない。FMSの契約では代金の流れが米国の歳出とは別の勘定を通ることがあり、公開データ上の支出欄が空になる場合がある。契約額と支出額を並べて執行状況を読む手法は、この種の契約には素直に当てはまらない。
4「10個」が何を数えているか
概要にある Fire Unit(射撃ユニット)は、ミサイル1発を単位とする数え方とは別のものです。この違いを取り違えると、契約の規模の読み方が変わります。
なお本記録の概要には装備の名称も型式も記載がないため、どの体系を指すかは当サイトでは特定していません。また本記録には支出額の記録がありません。対外有償軍事援助の契約では代金の流れが米国の歳出とは別の勘定を通ることがあり、公開データ上の支出欄が空になる場合があります。契約額と支出額を並べて執行状況を読む手法は、この種の契約には素直に当てはまりません。
なぜ重要か
同盟国向けの装備移転が米国の調達契約として記録されるため、国別・企業別の集計をそのまま「米国防費」と読むと過大評価になりうる。産業側から見ると、FMS案件は米国内の予算計上とは別の需要であり、生産計画を平準化する役割を持つ。公開データで概要の相手国名を拾えるかどうかが、この区別の可否を決める。
よくある質問(FAQ)
これは何のデータですか?
契約額は確定額ですか?
対外有償軍事援助(FMS)とは何ですか?
「射撃ユニット10個」はミサイル10発という意味ですか?
出典(一次情報)
本記事は下記の米国政府公式の支出データに基づく独自整理です。正確・最新の内容は公式をご確認ください。
- USAspending(契約の詳細)
- 契約番号(PIID):W31P4Q15C0022