約46.5億ドルの契約が「価格が決まらないまま」始まる ― UCA(価格未確定契約措置)という形(ロッキード・マーティン/海軍)
米海軍が ロッキード・マーティンに発注した契約の概要は「DUAL CAPABLE AIRCRAFT UCA AWARD」で、契約額は約46.5億ドル。UCA は防衛調達で「価格が確定しないまま着手する契約措置」を指す略記として使われる。急ぐ必要がある場面で用いられる一方、価格交渉が後から行われるという性質を持つ。
契約の基本情報
- 受注者ロッキード・マーティン
- 契約額$4,652,509,157(約46.53億ドル)
- 軍種海軍
- 発注機関国防総省
- 発注部局海軍省
- 契約種別DEFINITIVE CONTRACT
- 履行期間2018-11-15 〜 2027-04-01
- 契約番号(PIID)N0001919C0010
契約の概要(原文)
DUAL CAPABLE AIRCRAFT UCA AWARD
要点
- 海軍が ロッキード・マーティン に発注。概要は「DUAL CAPABLE AIRCRAFT UCA AWARD」、契約額は約46.5億ドル($4,652,509,157・累計)。
- UCA は防衛調達で Undefinitized Contract Action=価格や条件が確定しないまま着手を認める契約措置を指す略記として使われる。
- 利点は時間。着手の遅れが費用や能力の損失になる場面で用いられる。
- 代償は交渉上の立場。価格確定時には「すでに費やされた費用」が存在するため、確定期限や支出割合の上限といった制約が通例で置かれる。
- 履行期間は2018年11月15日〜2027年4月1日。記録された支出額は約1億8,977万ドル。対象機種や作業内容は概要に記載がない。
- UCAは着手を早められる一方、価格が決まる前に費用が発生するため発注側の交渉上の立場が弱くなる。
1UCAという略記
UCA は防衛調達において Undefinitized Contract Action、すなわち価格や条件が確定しないまま着手を認める契約措置を指す略記として使われる。通常の調達では、作業範囲と価格を合意してから契約を結ぶ。しかし、着手を待つと運用上の要求に間に合わない場合や、作業範囲そのものが交渉中の場合がある。
そうした場面で、上限額を設けたうえで先に作業を始め、価格は後から確定させるという形が取られる。
2何を前借りしているのか
この形が持つ利点は時間である。設計変更への対応、緊急の改修、供給網の確保など、着手が遅れること自体が費用や能力の損失になる場面は多い。一方で代償もある。価格が決まる前に作業が進むということは、交渉の時点で「すでに費やされた費用」が存在するということであり、発注側の交渉上の立場は弱くなる。
だからこそ、この措置には確定までの期限や、確定前に支出できる割合の上限といった制約が置かれるのが通例である。
3記録から分かる範囲
契約額は約46.5億ドルの累計値で、履行期間は2018年11月から2027年4月まで。記録された支出額は約1億8,977万ドルだが、公開データの支出欄は記録が十分でない場合があるため執行率としては読めない。概要は1行のみで、対象機種、作業の内容、価格が確定した時期は記載がない。当サイトでは記録にある範囲を超えて書いていない。
4時間を買い、交渉の立場を差し出す
この形が持つ利点は時間です。設計変更への対応、緊急の改修、供給網の確保など、着手が遅れること自体が費用や能力の損失になる場面は多くあります。一方で、その時間には代償がついています。
だからこそ、この措置には確定までの期限や、確定前に支出できる割合の上限といった制約が置かれるのが通例です。契約額の大きさに目を奪われがちですが、その額が合意された価格なのか、交渉前の上限なのかは性質がまったく異なります。
なぜ重要か
契約額が「合意された価格」か「交渉前の上限」かで、その数字の意味は大きく変わる。UCAの語が現れる契約は締結時点で価格が未確定だった可能性を示すため、金額の比較では成り立ちまで見る必要がある。受注側にとっては着手を早められる一方、確定交渉までの原価管理が利益を左右し、実績原価の説明能力がそのまま交渉力になる。
よくある質問(FAQ)
これは何のデータですか?
契約額は確定額ですか?
UCAとは何ですか。
なぜ価格を決めずに始めるのですか。
出典(一次情報)
本記事は下記の米国政府公式の支出データに基づく独自整理です。正確・最新の内容は公式をご確認ください。
- USAspending(契約の詳細)
- 契約番号(PIID):N0001919C0010