まだ何も起きていない回収 ― 有効期間の裏づけが無いという理由(2026年6月)
仏ティシウムの末梢神経修復デバイスについて、表示されている36か月の有効期間が実時間のデータで裏づけられていないことを理由に回収が行われ、26か月へ貼り替えられます。不具合が起きたという報告ではありません。
リコールの概要(一次情報)
- 分類クラスII(中程度)
- 対象種別医療機器
- 回収企業TISSIUM SA
- 理由Currently labeled shelf life of 36 months is not substantiated by real-time data. Devices will be relabeled to reflect revised shelf life of 26 months. The use of a medical device beyond its validated shelf life may result in perioperative breakage of the device rendering device unusable; worst-case outcome would be revision surgery.
- 流通範囲US Nationwide distribution in the states of CA, FL, IL, NJ, OH, PA.
- 回収開始日2026-06-15
要点
- 対象は COAPTIUM CONNECT(品番 NCOCO2010)で、生体内で重合する末梢神経修復デバイスです。
- 回収の理由は、表示されている36か月の有効期間が実時間のデータで裏づけられていないことです。
- 表示は改訂された26か月の有効期間を反映するよう貼り替えられます。
- 検証済みの有効期間を超えて使用した場合、手術中にデバイスが破損して使用できなくなる可能性があり、最悪の場合は再手術とされています。
- 回収企業は TISSIUM SA(フランス)、流通先はカリフォルニアなど6州で、数量の欄は空です。
1何も起きていないのに回収する
ここまでの4本は、いずれも何かが起きうる、あるいは既に起きた製品の記録でした。この記録は違います。製品に不具合が見つかったわけではありません。 見つかったのは、表示されている有効期間を裏づけるデータが無いということです。
2期間だけを訂正する
「実時間のデータによって裏づけられていない」という言い方が要点です。36か月もつことが否定されたのではなく、もつと確かめた記録が無いということです。それでも回収の対象になります。
3裏づけが無いことは、それ自体がリスク
- 1表示されている期間36か月
- 2その根拠実時間のデータによる裏づけが無い
- 3改訂後の期間26か月
- 4起こりうる帰結検証済みの期間を超えて使用した場合、手術中にデバイスが破損して使用できなくなる可能性があり、最悪の場合は再手術
医療機器の有効期間は、その期間を通じて性能が保たれることを実際に確かめた記録に支えられています。裏づけが無ければ、表示されている期間の後半は根拠のない使用になります。この記録は、確かめていないことをリスクとして扱っています。
4数量の欄が空でも回収は成立する
この記録には数量が記載されていません。 未解説の1,315件のうち60件(4.6%)が同様です。記録の欄がすべて埋まるとは限らず、埋まっていない欄があること自体が、回収の性格を示すことがあります。
なぜ重要か
医療機器の有効期間は、その期間を通じて性能が保たれることを実際に確かめた記録に支えられている。裏づけが無ければ、表示された期間の後半は根拠のない使用になる。この記録は、不具合が起きたことではなく確かめていないことをリスクとして扱い、期間の表示だけを訂正する形で回収が成立している例にあたる。
よくある質問(FAQ)
不具合が起きたわけではないのですか?
なぜ裏づけが無いだけで回収になるのですか?
数量が書かれていないのはなぜですか?
出典(一次情報)
出典:openFDA(米国FDA・CC0 パブリックドメイン)。データは無保証で、医療判断には用いないでください。最新・正確な情報は FDA公式のリコール情報をご確認ください。本サイトは米国FDAに推奨・認定されたものではありません。
- FDA リコール情報(公式)
- openFDA(データ提供元)
- リコール番号: Z-2903-2026