空母の燃料を積み替え、まるごと造り直す ― 新造ではなく延命に25億ドル
海軍がハンティントン・インガルスに発注した約25億7,435万ドルの契約。説明欄は「CVN 71 REFUELING COMPLEX OVERHAUL ACCOMPLISHMENT」で、原子力空母の燃料交換を伴う大規模改修(RCOH)を指す。新しい艦を造るのではなく、既にある艦の寿命を延ばすための工事である。
契約の基本情報
- 受注者ハンティントン・インガルス
- 契約額$2,574,356,598(約25.74億ドル)
- 軍種海軍
- 発注機関国防総省
- 発注部局海軍省
- 契約種別DEFINITIVE CONTRACT
- 履行期間2009-08-26 〜 2013-09-25
- 契約番号(PIID)N0002409C2107
契約の概要(原文)
CVN 71 REFUELING COMPLEX OVERHAUL ACCOMPLISHMENT.
要点
1造るのと同じくらいの工事
原子力空母は、就役から二十数年が経つと原子炉の燃料を交換する必要があります。その作業は燃料を入れ替えるだけでは終わりません。艦体を切り開き、機器を取り出し、老朽化した配管や電路を更新し、新しい装備に載せ替え、再び閉じる。数年がかりの工事になり、費用も新造艦に迫ります。
この契約が指す「燃料交換を伴う大規模改修(Refueling Complex Overhaul)」は、その一連の工事です。
2新造と延命の関係
- 1建造艦を新しく造る。契約は10年を超えることも多い
- 2就役から二十数年原子炉の燃料が尽きる時期が来る
- 3燃料交換を伴う大規模改修燃料を入れ替え、艦体を開いて機器と配管を更新し、装備を載せ替える
- 4その後の運用さらに二十数年にわたって使い続けられる
一隻の空母が半世紀にわたって運用されるためには、この工事が途中に一度入ります。新しい艦を一隻造る決定と、既にある艦を延命する決定は、予算の上では別の判断ですが、必要な艦の数を満たすという目的では代替の関係にあります。
3期間が短い契約
期間は2009年8月から2013年9月までの約4.1年です。2026年9月2日時点で当サイトが保持する防衛契約207件の期間は中央値10.7年なので、本契約は短い部類にあたります。改修は工程が定まっており、開始から完了までの見通しが立てやすいことが、この長さに表れていると読めます。建造や長期の維持契約と違い、始まりと終わりがはっきりした工事です。
4受注者が限られる分野
原子力空母の改修を行える造船所は米国内でも限られます。当サイトが保持する記録では、ハンティントン・インガルスが「HUNTINGTON INGALLS INC」と「HUNTINGTON INGALLS INCORPORATED」の二つの表記で現れ、合わせて20件になります。艦艇の建造と改修は、施設と技能の両面で参入が難しく、受注者が固定されやすい分野です。
記録上の支出済み額は0ドルで、これは同じ時点の207件のうち115件(56%)に共通する状態です。なお
なぜ重要か
装備の数を満たす手段は新造だけではなく、既存の装備を延命する工事も同じ目的に資する。予算の議論では別々に扱われるが、能力の維持という観点では代替の関係にある。
よくある質問(FAQ)
これは何のデータですか?
燃料交換を伴う大規模改修とは何ですか。
契約額は確定額ですか?
出典(一次情報)
本記事は下記の米国政府公式の支出データに基づく独自整理です。正確・最新の内容は公式をご確認ください。
- USAspending(契約の詳細)
- 契約番号(PIID):N0002409C2107