医療AI臨床試験:AI適応放射線治療で卵巣を守る「OvAR-Y」 ― 若年女性の骨盤がん治療とがん・生殖医療(in-silico・NCT06904365)
子宮・直腸がんなどで骨盤に放射線が必要な50歳未満の女性で、卵巣機能を守る「卵巣温存 適応放射線治療」の実現可能性を、実データを使った計算機シミュレーション(in-silico)で検討する観察研究。早発卵巣不全のリスク低減という満たされない需要に応える試み。10例。
試験の概要(一次情報)
- 進行状況実施中(募集終了)
- 対象疾患Uterine Cancer、Rectal Cancer、Colon Cancer、Breast Cancer、Lung Cancer、Sarcoma、Cervix Cancer、Head and Neck Cancer、Anal Cancer、Liver Cancer、Gastric Cancer、Bladder Cancer
- 介入/手法DEVICE: HyperSight cone beam computed tomography (CBCT) scan、DEVICE: ETHOS 2.0
- スポンサーWashington University School of Medicine
- 目標症例数10 例
- 期間2025-04-08 〜 2026-08-31
要点
- 子宮・直腸がんなどで骨盤放射線が必要な50歳未満の女性で、卵巣温存 適応放射線治療の実現可能性をin-silicoで検討する観察研究。
- 背景=閉経前患者は放射線による早発卵巣不全のリスクが高く、心臓・骨・性機能・心理社会面に負担。
- 既存の卵巣転位術は成功率にばらつき・アクセス制約・残存線量の課題。満たされない需要に応える試み。
- 適応放射線治療は毎回の画像に合わせ計画を作り直す手法で、近年AIが計画自動作成を支援。
- 10例・in-silico(実照射せずコンピュータ上で検証)の実現可能性評価。実患者での有効性・安全性の確立ではない。
骨盤にできる子宮がんや直腸がんの治療では、放射線を骨盤に当てることが多い。だが放射線は狙った腫瘍だけでなく近くの卵巣にも影響し、閉経前の若い女性では「早発卵巣不全(卵巣が本来より早く働かなくなる状態)」を招きやすい。これはホルモンの喪失を通じて、心臓・骨・性機能・心理社会面に長く影響する。
卵巣を放射線野の外へ移す手術(卵巣転位)もあるが、成功率にばらつきがあり、誰もが受けられるわけでなく、それでも一定の線量を受ける恐れが残る。ここに、卵巣を守る新しい技術への満たされない需要がある。
本研究が検討するのが「卵巣温存 適応放射線治療(adaptive radiotherapy)」である。適応放射線治療は、治療のたびに撮る画像に合わせて照射計画を作り直し、標的に当てつつ正常組織を避ける精度を高める手法で、近年はAIがこの計画の自動作成を支える。
登録情報の要旨によれば、本試験はこの卵巣温存を、実データを用いた計算機シミュレーション(in-silico=実際に患者へ照射せず、コンピュータ上で計画・線量を検証する)で、10例を対象に実現可能性(フィージビリティ)として評価する段階にある。
なぜ重要か
がん治療の成績向上に伴い、若年患者の「がん・生殖医療(oncofertility)」の重要性が増している。AI支援の適応放射線治療で卵巣線量を抑える試みは、治療効果と妊孕性・ホルモン機能の両立を考える参考になる(本試験はin-silicoの少数例フィージビリティであり有効性の確立ではない)。
よくある質問(FAQ)
適応放射線治療(adaptive radiotherapy)とは?
in-silico(イン・シリコ)とは?
出典(一次情報)
出典:ClinicalTrials.gov(米国NIH/NLM・パブリックドメイン)。本サイトは医療助言を行いません。最新・正確な内容は公式をご確認ください。本サイトは NIH/NLM に推奨・認定されたものではありません。
- ClinicalTrials.gov(試験登録・原文)
- 登録番号: NCT06904365