クラスI(最も重大) 医療機器 Z-2357-2026 Ongoing

新生児蘇生装置の「つまみ」が緩み、酸素濃度が設定どおりに出ないおそれ ― 保守で交換した部品が対象(Datex-Ohmeda)

Datex-Ohmeda Inc 報告 2026年6月24日

米食品医薬品局(FDA)は、Datex-Ohmeda の新生児蘇生システム「Giraffe」を最も重いクラスIに分類した。酸素と空気を混ぜるブレンダのつまみの軸が緩み、設定した濃度と実際に送られる濃度が食い違うおそれがある。対象は直近の定期保守で特定の交換用ブレンダを取り付けた装置に限られ、数量は550台(米国367台・国外183台)である。

リコールの概要(一次情報)

  • 分類クラスI(最も重大)
  • 対象種別医療機器
  • 回収企業Datex-Ohmeda Inc
  • 理由Blender knob shaft can loosen, which can affect the delivered oxygen concentration. The system can deliver an oxygen concentration that does not match the intended concentration set by the user, potentially resulting in hypoxia or hyperoxia in the patient.
  • 流通範囲Pending
  • 回収開始日2026-05-08

要点

  • リコール番号 Z-2357-2026。区分はFDAで最も重いクラスI、状態は継続中(Ongoing)。
  • 対象は Datex-Ohmeda「Giraffe Stand-alone Infant Resuscitation System」(電動の緊急用人工呼吸器)。
  • 回収理由はブレンダのつまみの軸が緩むこと。設定した酸素濃度と実際に送られる濃度が食い違い、低酸素症または高酸素症につながりうる。
  • 対象は直近の定期保守で交換用ブレンダ M1091607-R を取り付けた装置に限られる=型番ではなく保守履歴で分かれる。
  • 数量は550台(米国367台、国外183台)。開始日2026年5月8日、報告日2026年6月24日。
  • 2026年9月1日時点で当サイトが保持するFDAの回収記録のうち医療機器779件中113件は、流通先に日本を含む。

1新生児に対する酸素は「多くても少なくても」問題になる

生まれた直後に呼吸が確立しない新生児へ、酸素と空気を混ぜた気体を送るのが蘇生装置の役割です。ここで重要なのは、酸素が足りないことだけが危険なのではないという点です。記録にある低酸素症(hypoxia)と高酸素症(hyperoxia)は、どちらも有害な状態として並べて書かれています。とりわけ未熟な組織にとって、過剰な酸素は酸化ストレスをもたらす負荷になります。

だからこそ、この装置では「何%を送るか」を医療者が意図して設定する仕組みになっています。

2設定と実際がずれるという故障の性質

今回の不具合は、装置が止まる・警報が鳴るという形ではありません。つまみの軸が緩むことで、目盛りが示す値と実際に送られる濃度が食い違うというものです。使用者から見れば、装置は正常に動いており、設定した数字も見えています。表示と実体がずれる故障は、動作停止より気づきにくいという点で性質が異なります。

3「保守で交換した部品が入っている場合のみ」

記録には、直近の定期保守で特定の交換用ブレンダ(M1091607-R)を取り付けた装置だけが対象であると明記されています。つまり同じ型番の装置でも、保守の履歴によって対象かどうかが分かれます。数量は550台で、うち米国が367台、国外が183台です。

4日本に届いた機器の記録は113件

2026年9月1日時点で当サイトが保持するFDAの回収記録のうち医療機器は779件あり、そのうち流通先に日本が記載されているものは113件です。

流通先に日本を含む機器の記録113 / 779

7件1件が日本にも届いています。医療機器は国境をまたいで同じ型番が使われるため、米国の回収記録がそのまま国内の医療機関に関係することがあります。ただし日本国内では別の制度で告知されるため、米国側の記録に日本の名があっても、同じ内容が国内で公表されるとは限りません。

なぜ重要か

対象の特定に保守記録が要る回収では、装置台帳の粒度がそのまま対応可能性になる。型番・シリアルに加えて「いつ・どの部品に交換したか」を追える体制がなければ、自施設が対象かどうかを判定できない。また表示と実体がずれる故障は運用中に気づきにくいため、回収の告知が届くまで通常どおり使われ続ける可能性が高い。告知の到達速度が実効性を強く左右する類型である。

よくある質問(FAQ)

酸素は多いほうが安全ではないのですか。
いいえ。記録では低酸素症(hypoxia)と高酸素症(hyperoxia)の両方が有害な結果として挙げられています。過剰な酸素は未熟な組織に酸化ストレスの負荷をかけるため、意図した濃度を送ることが求められます。
ブレンダとは何ですか。
酸素と空気を混ぜて、送る気体の酸素濃度を調整する装置です。今回はそのつまみの軸が緩むことで、設定値と実際の濃度が食い違うおそれがあるとされています。
自施設の装置が対象かどうかはどう確かめますか。
記録では、直近の定期保守で特定の交換用ブレンダを取り付けた場合にのみ対象とされています。型番だけでなく保守の履歴を確認する必要があります。

出典(一次情報)

出典:openFDA(米国FDA・CC0 パブリックドメイン)。データは無保証で、医療判断には用いないでください。最新・正確な情報は FDA公式のリコール情報をご確認ください。本サイトは米国FDAに推奨・認定されたものではありません。

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