約101.8万ドル TIP-CHIPS KTA-6 Communications, GVF - Global Venture Fund

日米共同で「開けた」AI無線基地局をつくる ― NSFと日本のNICTが組み、大規模MIMOとAIで混雑と災害に強い通信を狙う

Northeastern University マサチューセッツ州 開始 2026年9月

米国立科学財団(NSF)は、ノースイースタン大学に対し、日本の情報通信研究機構(NICT)との共同研究として、AIを用いた開かれた無線プラットフォームを開発する課題に約102万ドルを交付した。大規模MIMOとオープンな無線アクセスネットワークを組み合わせ、密集した都市や災害地域でも安定する通信を目指す。

助成の概要(一次情報)

  • 交付額約101.8万ドル($1,018,323) / 総額見込 $2,700,000
  • 受給機関Northeastern University(マサチューセッツ州)
  • プログラムTIP-CHIPS KTA-6 Communications, GVF - Global Venture Fund
  • 期間2026-09-01 〜 2029-08-31
  • 資金提供米国科学財団(NSF) / NSF

要点

  • ノースイースタン大学が、日本の情報通信研究機構(NICT)との共同研究として、AIを用いた開かれた無線プラットフォームを開発する(交付額1,018,323ドル、2026年9月1日〜2029年8月31日)。
  • 基盤は Massive MIMO(多数のアンテナで多数の利用者を同時に扱う方式)とオープンな無線アクセスネットワークの組み合わせ。
  • 狙いは、密集した都市部・自動化された建設現場・災害地域など、多数の機器が限られた電波を奪い合う条件下での信頼性の高い大容量通信。
  • 無線基地局の内部が特定の供給者の実装に閉じているとAIによる制御が入らないため、仕様を開くことが前提になる。
  • 2026年9月2日時点で当サイトが保持するNSF助成120件は37州にまたがり、交付額の中央値は1,955,351ドル、最小は1,000,000ドル。

1電波が足りない場所をどうするか

無線通信がいちばん苦しくなるのは、需要が集中する場所です。人が密集した都市の拠点、機器が飛び交う自動化された建設現場、そして通信が最も必要とされる災害地域。いずれも多数の端末が限られた電波を奪い合い、条件も刻々と変わります。本課題は、そうした状況で通信を成り立たせるために、電波の使い方をAIで動的に決められる無線プラットフォームを作ろうとするものです。

2二つの技術を組み合わせる

  1. 1Massive MIMO多数のアンテナを並べ、信号を空間的に向けることで多数の利用者を同時に扱う
  2. 2Open RAN無線アクセスネットワークの構成要素を開かれた仕様でつなぎ、特定ベンダーに閉じない構成にする
  3. 3AIによる制御刻々と変わる条件に合わせて資源の割り当てを適応させる
  4. 4狙い密集地・建設現場・災害地域でも信頼性の高い大容量通信を届ける

「開かれた(オープンで、プログラム可能な)」という性格がこの課題の核にあります。無線基地局の内部が特定の供給者の実装に閉じていると、AIで制御しようにも手が入りません。仕様を開いて構成要素を差し替えられるようにすることが、AIによる最適化を成り立たせる前提になります。

3日米の枠組みとして

本課題は日本の情報通信研究機構(NICT)との共同研究として位置づけられており、プログラム区分にも Global Venture Fund が含まれます。2026年9月2日時点で当サイトが保持するNSF助成120件37の州にまたがりますが、国際共同研究の枠組みが明示された課題は目立ちます。

次世代の無線は、標準の策定と実装が国際的な協調のうえに成り立つ分野であり、研究の段階から複数国の機関が組む形が採られていることになります。

4規模と位置づけ

交付額は1,018,323ドル、期間は3年です。2026年9月2日時点で当サイトが保持する記録の交付額は中央値1,955,351ドル、最小1,000,000ドルなので、本課題は下限に近い規模にあたります。プログラム区分は全部で70種あり、TIP-CHIPS KTA-6 Communications はその一つです。

金額の大きさよりも、日米の機関が組む枠組みと、開かれた仕様を前提に置く設計に、この課題の性格が現れているといえます。金額は確認時点の交付額であり、追加交付や改定で変わることがあります。

なぜ重要か

次世代無線は標準の策定と実装が国際協調のうえに成り立つ分野であり、研究段階から日米の機関が組む形が採られている。オープンな仕様がAI制御の前提になるという構図は、通信以外の分野の設計にも通じる。

よくある質問(FAQ)

Massive MIMOとは何ですか?
多数のアンテナを並べ、信号を空間的に向けることで多数の利用者を同時に扱う方式です。本課題ではオープンな無線アクセスネットワークと組み合わせられます。
なぜ「開かれた」構成が要るのですか?
無線基地局の内部が特定の供給者の実装に閉じていると、AIで制御しようにも手が入らないためです。仕様を開いて構成要素を差し替えられることが、最適化の前提になります。

出典(一次情報)

出典:NSF Award Search(米国科学財団・パブリックドメイン)。金額は交付額(obligated)。個人情報保護のため研究代表者名は扱っていません。

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