NSF AI助成 $113万:光で計算しAIの消費電力を桁違いに下げる「光集積AI計算」(UCバークレー・NSF-Intel)
米NSFが、光(フォトニクス)でAIの行列演算を行い、消費電力をCMOS比で最大2桁下げることを狙う光電子ハイブリッド・プロセッサの研究に約113万ドルを助成。薄膜ニオブ酸リチウム(TFLN)とシリコンのウエハスケール異種集積で、LLMやマルチエージェント系のリアルタイム判断を低エネルギーで支える。
助成の概要(一次情報)
- 交付額約113万ドル($1,130,000) / 総額見込 $1,490,000
- 受給機関University of California-Berkeley(CA)
- プログラムNSF-Intel Semiconductr Partnrs, ASCENT-Address-Chalg-Eng-Teams
- 期間2025-10-01 〜 2029-09-30
- 資金提供米国科学財団(NSF) / NSF
要点
- 光(フォトニクス)でAIの演算を行い、消費電力をCMOS比で最大2桁削減
- 薄膜ニオブ酸リチウム(TFLN)とシリコンのウエハスケール異種集積で >100 TOPS/W を目標
- 時空間波長の超次元回路・CMOS互換の高速電気光学変調器・ハード/ソフト協調設計
- LLMやマルチエージェント系のリアルタイム判断を低エネルギーで支える(自動運転の強化学習でベンチ)
- 交付額 約113万ドル・UCバークレー主導・NSF-Intel半導体連携・2025〜2029年
米国科学財団(NSF)は、カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)が主導する「ASCENT: Wafer-scale Heterogeneous Integration of Lithium-Niobate-on-Silicon Optoelectronics for Ultralow-energy AI computing」に約113万ドル($1,130,000)を交付した(NSF Award 2520253、プログラム:NSF-Intel半導体連携/ASCENT、期間2025年10月〜2029年9月)。
抄録によれば、AI・IoT・5G/6Gネットワークから生じる増大するデータ量が、CMOSベースの計算ハードウェアの処理能力に挑戦している。本プロジェクトは、計算能力とエネルギー効率をさらに伸ばすため、光ベースのフォトニック集積計算回路を提案する。高いクロックレートでの計算と、超低損失なオンチップ・データ移動を可能にし、AI計算に必要なエネルギーを大幅に(現行CMOS技術より最大で2桁=約100倍)削減しうる。これにより、自動運転・医療診断・自然言語処理・科学的発見まで、幅広い応用を変えうる。半導体製造での米国の競争力強化と、チップ設計・フォトニクス・AIの専門人材育成にも資する。
技術的には、薄膜ニオブ酸リチウム(TFLN)とシリコンフォトニクス/エレクトロニクスのウエハスケール異種集積により、>100 TOPS/W の高効率・高スループットな光電子ハイブリッド・プロセッサの構築を目指す。主要な技術目標は、(1)スケーラブルな時間多重符号化で大規模並列のテンソル演算を行う時空間波長の超次元フォトニック回路、(2)TFLNをシリコン上に集積したCMOS互換の高速電気光学変調器(>50 GHz帯域・<10 fJ/変換)、(3)LLMのような大規模モデルやマルチエージェント系のリアルタイム判断を支えるハード・ソフト協調設計。行列積を O(N) の変調器スケーリングとエネルギー効率で実現し、自動運転の強化学習でエンドツーエンドのAI性能を検証する。
なぜ重要か
AIの電力消費が問題化するなか、「AI計算そのものを省エネにする」ハードウェア研究の事例。フォトニクス・半導体・省電力AI(AIデータセンターの電力)を追う読者にとって、米国の研究投資の方向性を読む手がかりになる。
よくある質問(FAQ)
なぜ「光」で計算するのですか?
どのくらい省エネになりますか?
出典(一次情報)
出典:NSF Award Search(米国科学財団・パブリックドメイン)。金額は交付額(obligated)。個人情報保護のため研究代表者名は扱っていません。
- NSF Award(原文・公式)
- NSF Award ID: 2520253