NSF AI助成 $104万:人の「目」を模して内視鏡の視界を自動で保つソフトロボット(テネシー大)
米NSFが、人の目の保護機能(まばたき・涙・角膜の感知)を模し、低侵襲手術中に内視鏡カメラのレンズ汚れを自律的に取り除いて視界を保つAI搭載ソフトロボットの研究に約104万ドルを助成。柔らかい駆動・プログラム可能な流体制御・リアルタイムAI制御を統合し、宇宙・災害対応・産業への応用も視野に入れる。
助成の概要(一次情報)
- 交付額約103.8万ドル($1,038,318)
- 受給機関University of Tennessee Knoxville(TN)
- プログラムFRR-Foundationl Rsrch Robotics
- 期間2025-10-01 〜 2028-09-30
- 資金提供米国科学財団(NSF) / NSF
要点
- 人の目の保護機能(まばたき・涙・角膜の感知)を模倣する小型AIソフトロボット
- 低侵襲手術で内視鏡レンズが煙・体液・結露・破片で汚れ視界が妨げられる課題に対応
- 柔らかい駆動+プログラム可能な流体制御+リアルタイムAI制御で自律洗浄・視界強化
- 知見は宇宙探査・災害対応・産業オートメーションのロボット知覚にも応用可能
- NSF 基礎ロボティクス研究(FRR)・約104万ドル・テネシー大ノックスビル校・2025〜2028年
米国科学財団(NSF)は、テネシー大学ノックスビル校の「AI Embodied Biomimetic Soft Robot for Superior Vision in Minimally Invasive Surgery(低侵襲手術での優れた視界のための、AIを具現化した生体模倣ソフトロボット)」に約104万ドル($1,038,318)を交付した(NSF Award 2503725、プログラム:FRR-Foundational Research in Robotics、期間2025年10月〜2028年9月)。
抄録によれば、本プロジェクトは、人の目がもつ保護機能——まばたき、涙液の流れ、角膜による感知——の要点を模倣する小型のAI強化ソフトロボットを開発し、低侵襲手術の最中に視界の明瞭さを自律的に保つことを目指す、基礎ロボティクス研究である。
内視鏡(低侵襲)手術では、術者は視覚的な手がかりを腹腔鏡カメラに全面的に頼る。しかし煙・体液・結露・破片によってレンズが汚れ、視界が頻繁に妨げられる。こうした視界の妨げは手術の流れを乱し、視界を回復するために手作業や器具による清掃を繰り返す必要を生む。本システムは、柔らかい駆動(soft actuation)、プログラム可能な流体制御(programmable fluidics)、リアルタイムのAI制御を統合し、コンパクトなロボット機構の中で、レンズの自律洗浄・気流の適応的な形成・視界の強化を可能にする。
さらに抄録は、本研究で得られる知見が、医療上の重要な課題に応えるだけでなく、宇宙探査・災害対応・先進的な産業オートメーションといった領域でのロボット知覚にも応用できると述べる。STEM人材育成への貢献にも触れている。
意義:手術支援というと「切る・縫う」ロボットが想起されがちだが、本研究が着目するのは“見る”を支える地味だが本質的な工程だ。人の目という洗練された生体システムを模倣し(生体模倣=biomimetic)、柔らかい素材・流体・AIを組み合わせて「自動で視界を保つ」点に独自性がある。視界の維持を自律化できれば、手術の中断が減り、術者は本来の処置に集中できる。汚れた環境で視覚センサを健全に保つという課題は、宇宙・災害・工場など過酷な現場のロボットにも共通しており、医療を起点に応用が広がりうる基礎研究といえる。
なぜ重要か
手術支援ロボットの「見る」を支える基礎研究で、生体模倣×ソフトロボット×AIの組み合わせが独自。汚れた環境で視覚を保つ課題は宇宙・災害・産業にも共通し、医療を起点に応用が広がりうる。ロボティクスとAIの実装的な接点を示す。
よくある質問(FAQ)
生体模倣(biomimetic)とは?
ソフトロボットとは?
出典(一次情報)
出典:NSF Award Search(米国科学財団・パブリックドメイン)。金額は交付額(obligated)。個人情報保護のため研究代表者名は扱っていません。
- NSF Award(原文・公式)
- NSF Award ID: 2503725