自律航空機の戦闘運用に向けたオフライン学習と対AIの研究(AACO/TACFI)― 連邦契約(USAspending)
米空軍がTOYON RESEARCH CORPORATIONに発注した約190万ドルの連邦契約で、自律航空機の戦闘運用(AACO)向けに「オフライン学習」と「対AI(counter-AI)」を研究するものです。
契約の基本情報
- 受注者TOYON RESEARCH CORPORATION
- 契約額$1,900,000(約190万ドル)
- 発注機関Department of Defense
- 発注部局Department of the Air Force
- 契約種別DEFINITIVE CONTRACT
- 履行期間2024-09-16 〜 2026-09-16
- 契約番号(PIID)FA237724CB048
契約の概要(原文)
OFFLINE LEARNING AND COUNTER ARTIFICIAL INTELLIGENCE FOR AUTONOMOUS AIRCRAFT COMBAT OPERATIONS (AACO) TACTICAL FUNDING INCREASE (TACFI)
要点
- 米空軍がTOYON RESEARCH CORPORATIONに発注した約190万ドルの連邦契約(契約番号 FA237724CB048)。
- テーマは自律航空機の戦闘運用(AACO)に向けた「オフライン学習」と「対AI(counter-AI)」。
- オフライン学習=現場ではなく、あらかじめ用意したデータで事前に学習を済ませておく方式。
- 対AI=敵もAIを使う前提で、敵AIを欺く・無力化する、または敵AIに対抗する技術。
- TACFI(戦術的資金増額)という追加資金の枠で実施。具体的な成果物は原文に記載がない。
この契約は、人が操縦しなくても自律的に動く航空機を戦闘の場面で運用する(AACO=Autonomous Aircraft Combat Operations)ことを念頭に、二つの技術テーマを掲げています。一つは「オフライン学習」。これは、現場でその場ごとに学ぶのではなく、あらかじめ用意したデータを使って事前に学習を済ませておく方式を指します。通信が制限される、あるいは即座の判断が求められる戦闘環境では、現場で時間をかけて学ぶ余裕がないため、事前に学んだ判断モデルを持ち込むという考え方が背景にあります。もう一つは「対AI(counter-AI)」で、相手側もAIを使う状況を前提に、敵のAIを欺いたり無力化したり、あるいは敵AIの判断に対抗したりする技術を意味します。
この契約が重要なのは、AIの利用が「人間 対 機械」から「機械 対 機械」へと移りつつある局面を正面から扱っている点にあります。一方がAIで判断を自動化すれば、もう一方はその自動化された判断そのものを攻略対象にするようになります。つまり、AIを賢くするだけでなく、「AIを相手にするAI」をどう設計するかという論点が立ち上がります。事前学習で備えるアプローチと、敵AIへの対抗・撹乱というアプローチを同じ研究の中で扱うことは、こうした競合的な環境を見据えた取り組みと位置づけられます。
発注元が米空軍であること、TACFI(戦術的資金増額)という追加資金の仕組みで進められることから、既存の研究の流れに対して資金を上積みして開発を加速させる性格の契約だと読み取れます。受注者のTOYON RESEARCH CORPORATIONがどのような技術基盤を持つか、また本契約で何が成果として生み出されたかは原文に記載がありません。それでも、自律システムとAIの安全・対抗をめぐる公的な調達がどのテーマに資金を向けているかを知る手がかりとして、横断的に参照する価値があります。
なぜ重要か
自律システムやAIの安全・対抗をめぐる米国の公的調達がどのテーマに資金を向けているかを把握したい研究者・技術者・調達関係者にとって、参照点となる契約です。AIが「機械 対 機械」で競合する局面に向けた取り組みの一例として、関連分野の動向を追う手がかりになります。
よくある質問(FAQ)
AACOとは何ですか。
「オフライン学習」と「対AI」はどういう意味ですか。
TACFIとは何ですか。
出典(一次情報)
本記事は下記の米国政府公式の支出データに基づく独自整理です。正確・最新の内容は公式をご確認ください。
- USAspending(契約の詳細)
- 契約番号(PIID):FA237724CB048