Chromium V8 の型の取り違え(CVE-2025-13223)― ある型として作ったものを、別の型として扱ってしまう
ブラウザの JavaScript 実行基盤である V8 における型の取り違えの脆弱性。ヒープの破壊につながりうるとされる。閲覧するだけで到達しうる位置にある部品であり、是正期限は21日に設定された。
脆弱性の基本情報
- CVE番号CVE-2025-13223
- 対象(ベンダー/製品)Google Chromium V8
- CWECWE-843
- 悪用状況CISA KEV 掲載(実際の悪用を確認)
- 是正期限2025-12-10(米連邦民生機関・BOD 22-01)
要点
1型の取り違えという型
プログラムが扱うデータには型があります。数値なのか、文字列なのか、別の何かへの参照なのか。型が決まることで、その領域をどう読み書きするかが決まります。型の取り違えは、ある型として作られた領域を、別の型として扱ってしまう欠陥です。
同じ並びのデータでも、どの型として読むかによって意味が変わります。数値として置かれたものが参照として読まれれば、その数値が指す場所を触ることになります。カタログが「ヒープの破壊」を挙げているのは、この帰結を指しています。
2閲覧するだけで到達しうる位置
- 1対象ブラウザのJavaScript実行基盤
- 2到達の経路ページを開くと、そこに含まれる処理が実行される
- 3利用者の操作特別な操作を必要としない場合がある
- 4意味するところ到達されうる範囲が広い
V8はブラウザの中でJavaScriptを実行する部分です。ページを開けば、そこに書かれた処理が動きます。利用者が何かを導入したり許可したりしなくても、閲覧という日常の行為だけで処理が到達しうる位置にあることになります。当サイトでは、境界に置かれる機器の脆弱性も扱っていますが、こちらは各自の端末が到達点になるという違いがあります。
3型の取り違えの件数
2026年9月3日時点で当サイトが保持する記録では、未解説のうち型の取り違えに区分されるものが37件あります。同じ実行基盤に関する事例が繰り返し現れており、複雑な処理を高速に行う仕組みほど、この種の欠陥が生じやすいことをうかがわせます。
4ランサムウェアの記載がないこと
本件は、ランサムウェアでの利用が既知とはされていません。ただしKEVカタログは、実際に悪用が確認されたものだけを収録します。ランサムウェアの記載がないことは、悪用されていないという意味ではなく、その用途での利用が確認されていないという意味です。カタログに載っている時点で、実際に使われたという判断は済んでいることになります。
なぜ重要か
境界に置かれる機器と異なり、閲覧するだけで到達しうる部品は各自の端末が到達点になる。資産管理が中心設備に偏っていると、更新の行き届かない端末が残りやすい。
よくある質問(FAQ)
型の取り違えとは何ですか?
ランサムウェアの記載がなければ安全ですか?
出典(一次情報)
本記事は下記の米国公式データに基づく独自整理です。正確・最新の内容、適用可否は必ず公式・ベンダーでご確認ください。
- CISA KEV Catalog(悪用確認済み一覧)
- NVD(CVE詳細・CVSS)
- ベンダー/参考アドバイザリ
- This product uses data from the NVD API but is not endorsed or certified by the NVD. KEV データは CC0(パブリックドメイン)です。